2006.06.01 thu. 夏日。湿度が低いので過ごしやすい。酸素量150mg/L、溶存酸素3000%のオキシジャイザーとかいう水を飲んでみる。味は限りなく水道の水に近いと思う。 2006.06.03 sat. 朝、大蟻食と一緒に六本木へ。ヴァージンシネマで 『ポセイドン』 を見る。がらがら。ちなみにチケット売り場にはけっこうな行列ができていたが、あれはみんな『ダ・ヴィンチ・コード』を見にきたのか? 六本木ヒルズ内のPantryで食事をして帰宅。なんとなく欲求不満を感じたので、夕食を食べたり、エールを飲んだり、葉巻を吸ったり、お茶を飲んだりしながらピーター・ジャクスン版の 『キング・コング』 を見る。ビデオで見るのは初めてだけど、これはやはり立派な映画だと思うのである。 2006.06.04 sun. 昼過ぎ、大蟻食と一緒に散歩に出て、自由が丘デパートの二階に最近できたベトナム料理店「QUAN AN TAM」でお昼を食べる。頼んだ料理のせいなのか、酢が目立ったり、塩が強かったり、油っ気が多過ぎたりと味付けにまとまりがない。おまけに生春巻きは皮の戻しがちゃんとできていなかったような気がしてならない。こうなるとやっぱり「ダラート」のおばあちゃんの料理が懐かしい。気取りもなにもないただのベトナム家庭料理だけど、それがストレートにおいしかったのである。 2006.06.07 wed. 夜、大蟻食と一緒にビデオで 『ディック&ジェーン 復讐は最高!』 を見る。ジム・キャリーは久しぶりである。 2006.06.08 thu. 夜、大蟻食と一緒にビデオで 『ロード・オブ・ウォー』 を見る。おおむね予想どおりの内容であった。 2006.06.09 fri. 夜、大蟻食と一緒にビデオでTVミニシリーズ版の 『ポセイドン・アドベンチャー』 を見る。いやはや。そのあと今度は一人で 『ALWAYS 三丁目の夕日』 を見る。なぜ貧しさを懐かしむのか。 2006.06.10 sat. 大蟻食と一緒にクルン・サイアムで昼食。そのあと、ゴディヴァでショコリキサーを食べる。しばらくうろうろしてからお茶をして帰宅。わたしはなんとなく『ウルトラQ』を見始める(ガラダマ、東京氷河期、カネゴンの眉、ガラモンの逆襲)。本物の昭和三十年代の子供たちは 『ALWAYS 三丁目の夕日』 に出てきた子供たちのように髪の毛をさらさらとさせていない。毎日頭を洗わないし、洗ってもリンスはしないからである。夜は『三丁目の夕日』のフランス版みたいな 『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』 をビデオで見る。 2006.06.11 sun. 雨。終日ごろごろと過ごし、夜はワールドカップの中継を見る。 2006.06.12 mon. 夜はワールドカップの中継を見る。 2006.06.15 thu. 夜、大蟻食と一緒にビデオで 『おかしな泥棒ディック&ジェーン』 を見る。 2006.06.16 fri. 大蟻食と一緒にビデオでBBC製作のコメディ『ザ・オフィス』の第一話を見る。製紙会社の支社を舞台に支社長がまったく無自覚なセクハラ野郎だったり、社員は役立たずだったり、という話だけど、それをいわゆるコメディ演出ではなくてドキュメンタリー演出でやっていて、つまりふつうの会社のふつうの日常をふつうに撮ればコメディになるのではないか、といういやらしい仕掛けになっている。というわけで、それなりに笑えるものの、このぬるくて気まずい光景をわざわざ(家でもう一度)見たくない、と思うひとはかなり多いのではないだろうか。 2006.06.17 sat. 大蟻食と一緒に『ザ・オフィス』第一シーズンの残り五話を見る。どれも基本的には「上司の寒くて笑えない冗談」を笑い物にする、という趣向で、当然ながら下ネタが多い。しかもそこで笑いを取ろうとしているのは支社長とその一味(義勇軍出身のマネージャー補佐とちょびヒゲの営業)だけで、まわりのひとたちは実はリストラの恐怖に脅えていたりするのである。この無神経で殺伐とした世界は見ているうちにそれなりにツボにはまってくるものの、続けて五話も見るとやっぱり精神衛生にちょっと悪い。 2006.06.18 sun. 『ザ・オフィス』にちょっと食傷気味なので、代わりにアメリカ製のテレビシリーズ 『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』 のパイロットと第一話を見る。これもある意味、現実感が強すぎて笑えない「コメディ」である。ニュージャージーで表向きはゴミ処理業を営むマフィアのドンが日常の不安にさいなまれているうちに不安神経症で昏倒し、精密検査を受けてからだには異常はないと言われた結果、精神分析医通いをするようになり、結局プロザックの世話になりながら日常を戦っていくという内容で、着想自体は 『アナライズ・ミー』 とよく似ているけれど(製作は二十世紀末のほぼ同時期)、こちらはハロルド・ラミス的なちゃらんぽらんさはどこにもなくて、とにかく真面目にていねいに作られている。けっこう面白い。 2006.06.20 tue. 夜、大蟻食と一緒にビデオで 『レジェンド・オブ・ゾロ』 を見る。なんかもうめちゃくちゃな内容であった。わたしとしてはゾロはやはり18世紀の話でやってほしい。 2006.06.21 wed. 夜、大蟻食と一緒にビデオで『炎の英雄シャープ』第一話「第95ライフル連隊」を見る。グラナダ・テレビが1993年に製作したショーン・ビーン主演のナポレオン戦争もので、前日まで軍曹だったシャープ中尉(ウェリントンがいきなり昇任させる)が反抗的な部下数名を率いてスペインの山のなかをうろうろする。原作は未読。人物造形に甘さが目立ち、全体に小規模な戦闘場面はリアリティを欠き、演出に覇気が感じられない。 2006.06.22 thu. 夜、大蟻食と一緒にビデオで『炎の英雄シャープ』第二話「イーグルを奪え」を見る。ショーン・ビーン扮するシャープ中尉(途中で大尉)がどんな煩悩を抱いても、ウェリントンをはじめ、まわりはそれを支持してくれるし、支持しないやつはみんな悪役、という恐ろしい世界である。最後にタラベラデラレイナの戦いを五十人くらい(大蟻食の主張では三十人くらい)でやっていた。イギリス軍の将校連中の顔がどれも下品、というのがどうにも解せない。いったいどこから集めてきたのか。 2006.06.23 fri. 夜、大蟻食と一緒にビデオで 『ウェザーマン』 を見る。渋い。 2006.06.24 sat. 少し風邪気味。夜、大蟻食と一緒にビデオで『ザ・オフィス』第二シーズンの最初の三話を見る。第一シーズンの最後で予告されていたとおり、スィンドン支社が解体されてスラウに合流し、スィンドンの支社長ニールは本社へ移って支社を監督する任につく。で、このニールが社員にちょっと人気があるのでスラウの支社長デヴィッド・ブレントは周囲の関心を自分に惹きつけようと寒い冗談を連発し、いよいよ寒くなってくる、というような内容で、寒さがパワーアップしている。 2006.06.25 sun. 大蟻食のお母さんがやって来たので大蟻食は大蟻食のお母さんと夜、Le Bouillonへ。わたしは風邪気味なので留守番をする。 2006.06.26 mon. 大蟻食のお母さんは新潟へ。夜、大蟻食と一緒にビデオで『ザ・オフィス』第二シーズンの残り三話を見る。会社側はようやくデヴィッド・ブレントの能力に疑問を抱き(というか、そもそもなぜ支社長に据えたのか?)、早期退職を勧告する。救いはないし、おまけにあいかわらず寒いのである。 2006.06.27 tue. 暑くなってきた。性懲りもない、と思いながら、夜、大蟻食と一緒にビデオで『ザ・オフィス』のクリスマス・スペシャルを見る。あれから三年後、という設定でドキュメンタリーをしてみました、という悪趣味なしろものである。デヴィッド・ブレントは会社をクビになったあと、会社に訴訟を起こして示談に持ち込み、慰謝料を勝ち取るとその金を使ってシングルデビューを果たしたものの(ものすごく寒いプロモーションビデオがちゃんと入っている)、CDは150枚しか売れなかった模様。キャラクターにまったく変化はないものの、うらぶれ方が激しいので見ているうちにかわいそうになってきた。 2006.06.28 wed. 夜、大蟻食と一緒にビデオで『30デイズ』第一回と第二回を見る。 『スーパーサイズ・ミー』 のモーガン・スパーロックによるテレビドキュメンタリーのシリーズで、30日間ふだんと違うことをする、という趣向である。なかなかに面白い。第一回は「最低賃金で30日間」。モーガン・スパーロック本人とその婚約者がカードや現金、保険を封印して全米で失業率がもっとも高いオハイオ州コロンバスに移り住み、ぎりぎりの予算で安アパートを借りて最低賃金で一か月肉体労働をやっていた。精神的にかなりこたえたみたいだけど、困ったときに慈善活動や無料医療がとりあえずすぐ脇にある、という状況には感心する(ただし無料医療は一日に診てもらえる人数が限られているので早くいって並ばなければならない)。第二回は「アンチエイジングを30日間」。高校時代には水泳の選手だったという34歳の太ったセールスマンがアンチエイジングに挑戦してステロイド剤を打ち、栄養補助食品を大量に摂取し(毎日41錠)、運動に励んでいたが、アンチエイジングやステロイド剤の副作用がどうこう、という話よりもこのセールスマン夫婦の不健康な太り方のほうが気になった。34歳なら生活改善だけで十分であろう。 2006.06.29 thu. 暑い。夜、大蟻食と一緒にビデオで『30デイズ』第三回と第四回を見る。第三回は「イスラム修業を30日間」。ウエストバージニアに住む33歳のキリスト教徒の男性がイスラム教徒の格好をしてミシガン州デアボーン(人口の三分の一がイスラム教徒で町中にはモスクが林立している)で30日間生活する。第四回は「ゲイと一緒に30日間」。農場育ちで同性愛は罪だと信じている24歳の若者がサンフランシスコのゲイ・コミュニティで30日間生活する。よくよく頭の固い挑戦者を探してくるものだと感心したが、それがまたそれぞれに自分自身の偏見と戦わなければならないところが面白い。ただ、どちらのケースでも目に見えるマイノリティの問題とは別に、階級差や地域差が背後に潜んでいるのではあるまいか。ホームステイ先のパキスタン人の一家は豊かそうに見えたし、サンフランシスコのゲイはみな都会人である。 2006.06.30 fri. 暑い。夜、大蟻食と一緒にビデオで『30デイズ』第五回と第六回を見る。第五回は環境問題にまったく関心のない都会のカップルをミズーリにあるエコなコミュニティに送り込んでいたが、このコミュニティでは必要以上に原始的な手段が選択されていたような気がしてならなかった(なぜしっくいを塗るときにコテを使わずに手を使うのか)。第六回は毎晩のように飲み歩く十九歳の娘(アリゾナ州立大学の一年生)をいさめるために母親も娘と同じように飲み始める、という実験で、案の定、というか娘は反発するだけで、九歳の次男坊のほうが二日酔いの母親の姿を見てこたえていた。 |