ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア
- Aloysius' Rating:  6/10
1999年-  アメリカ
企画・製作:デヴィッド・チェイス
出演:ジェイムズ・ガンドルフィーニ、イーディ・ファルコ、ジェイミー・リン・ディスカラ、ロレイン・ブラッコ

(Season 1)
1.The Sopranos:  トニー・ソプラノはニュージャージーに勢力を持つマフィアの幹部であったが、表向きは産業廃棄物処理業を営み、立派な家を構えて専業主婦の妻と十代の娘と息子とともに暮らしている。しかしながら組織にはどこかがたついており、若い連中は言うことを聞かず、そして最大の問題として老いた母親リヴィアが反発してことあるごとに文句を言い、ストレスにさらされたトニー・ソプラノは間もなく失神を繰り返すようになり、妻の勧めにしたがってセラピーを受けにいく。で、プロザックの処方箋をもらって帰ってくるのである。おばあちゃんが怖い。
2.46 Long:  トニー・ソプラノの甥クリスはファミリーの準構成員で、将来は幹部入りを希望している。そのクリスは仲間と図ってトラックをハイジャックして積み荷を奪うが、そのトラックの安全はトニー・ソプラノの伯父ジュニアによって保証されていた。トニー・ソプラノとジュニアとのあいだに緊張が走り、しかもそのあいだにトニー・ソプラノは母親を介護施設に入所するように説得しなければならず、いよいよストレスが強くなるのでひそかにセラピーを受けにいく。なにしろマッチョ社会なのでセラピーを受けていることがわかったりすると、体面が丸つぶれになるのである。
3.Daniel, Anger Acceptance:  前回の緊張関係が尾を引くなかで、トニー・ソプラノはモーテルを経営するハシッド派のユダヤ人から相談を受け、モーテルの経営権がからんでユダヤ人一家の家庭問題に踏み込んでいく。そして問題を解決した代償として経営権のいくらかを要求すると、依頼をおこなったユダヤ人から罵倒を受ける。そしてそのあいだに伯父ジュニアが送り出した暗殺者がクリスの仲間の命を狙い、トニー・ソプラノはセラピーにかよう。
4.Meadowlands:  トニー・ソプラノが信頼するファミリーのボス、ジャッキー・アプリールがガンで死に、ファミリーには後継者問題が持ち上がる。そこでトニー・ソプラノはセラピーを通じて老人操縦法を学び、あきらかにボスとしての資質を欠いている(という評判の)伯父ジュニアをボスに担ぎ上げ、自分自身は事実上のボスとなって一気に問題を解決する。
5.College:  トニー・ソプラノは高校二年の娘メドウの大学見学に付き添ってニューイングランドを訪れるが、そこで偶然、かつての裏切り者を目撃する。トニー・ソプラノはけじめをつけるために裏切り者を狙い、そのあいだも娘に気づかれないように大学見学を続けなければならず、あわただしさのせいで家への連絡がぞんざいになり、そうすると妻カメーラはトニー・ソプラノに疑念を抱き、抱いたところに大食らいのフィル神父(若い)がやってきて告解を勧め、なぜかそのあと、この二人は奇妙な雰囲気になっていく。
6.Pax Soprana:  ファミリーのボスとなった伯父ジュニアはさっそくシノギで困ったことを始めるので、トニー・ソプラノはニューヨークのファミリーに裏から手をまわして伯父ジュニアに圧力を加え、それで事を丸く収めようと画策するが、そのあいだにトニー・ソプラノの留守宅では妻カメーラが電話を取り、トニー・ソプラノの精神分析医が女医であったという事実を知る。
7.Down Neck:  トニー・ソプラノの息子アンソニー(十二歳?)は聖餐式用のワインを盗み飲み、そのことが学校にばれて停学を食らう。そこから先はトニー・ソプラノの少年時代の思い出話で、父親も相当に悪だった、ということが判明する。
8.The Legend of Tennessee Moltisanti:  FBIがニュージャージー・マフィアの締めつけにかかるので、トニー・ソプラノとその妻カメーラは家のなかのやばい物を始末にかかり、天井裏から札束だの武器だのを引っ張り出すと、それを老人介護施設の母親リヴィアの部屋にしまい込み(ほかにもっと隠し場所があるだろうに、という気がしたけど)、母親リヴィアはトニー・ソプラノの秘密(セラピーを受けてる)をジュニアに告げる。
9.Boca:  トニー・ソプラノは妻カメーラの口からジュニアの秘密(性行為にどうやら男の威厳に関わる問題が、というか言うほどの問題なのか?)を知り、互いの秘密を知ったトニー・ソプラノとジュニアのあいだに異様な緊張が走り(「男」ってたいへんだね)、それはそれとして娘メドウが所属するサッカーチームのコーチに絡んで問題が起きる。
10.A Hit is a Hit :  トニー・ソプラノの甥で準構成員のクリスはガールフレンドのエイドリアナとのデート先でギャングスタに遭遇し、エイドリアナはそれを機会に音楽プロデューサーへの道を模索する。一方、トニー・ソプラノは隣人関係を深めるために医者や株屋とともにゴルフへ出かける。案の定、株屋は最低の人種なのであった。
11.Nobody Knows Nothing :  トニー・ソプラノの前に腐敗警官が現われ(この腐敗警官はそれまでにもときどき出現してトニーに警察の内部情報を渡している)、幹部のプッシーがFBIと取り引きをしていると告げる。プッシーを親友だと信じていたトニー・ソプラノはショックを受けて証拠を求め、同じころ、老人介護施設ではジュニアとリヴィアが陰謀をたくらんでいる。
12.Isabella :  トニー・ソプラノは隣家の庭に美しいイタリア娘の姿を認め、そこへふらふらと引き寄せられていた頃、裏切り者の疑いをもたれたプッシーはいきなり失踪し、ジュニアの子分は町の外へ出かけて黒人の殺し屋を探してくる。そしてトニー・ソプラノ暗殺計画がものすごく不器用に実行に移され、銃を持った殺し屋は丸腰のトニー・ソプラノによって返り討ちにあう。
13.I Dream of Jeannie Cusamano :  トニー・ソプラノは自分を殺そうとたくらんだ黒幕を探し、それが実の母親と伯父であったという事実を知る。
(Season 2)
14.Guys Walks into a Psychiatrist's Office:  シーズン1とシーズン2のあいだになにかあった模様で、母リヴィアは病院で治療を受けており、伯父ジュニアは組織犯罪法で逮捕され、トニー・ソプラノが名実ともにニュージャージーのドンになっている。精神分析医のメルフィーはマフィア関連事件に巻き込まれるのを恐れて逃げ回り、セラピーの助力を失ったトニー・ソプラノの前には失踪していたプッシーが現われ(プエルトリコの専門病院で腰痛の治療をしていたらしい)、さらに二十年ほど音信不通の姉ジャニスが現われて母親の面倒は自分が見ると宣言するが、母親の話題は家では厳禁されており、しかもトニー・ソプラノはこの姉をまったく信用していない。
15.Do Not Resuscitate:  伯父ジュニアが保釈され、裏切り者の疑いが晴れたプッシーはトニー・ソプラノに見えないところでひそかにFBIの捜査官と会っている。ジャニスはリヴィアを見舞い、病院はリヴィアが死亡した場合の蘇生措置について判断を求め、トニー・ソプラノは知るものかと声を荒げる。
16.Toodle-Fucking-Oo:  無人となったリヴィアの家で高校生が乱痴気パーティを開いてひとりが病院送りになり、その場にいたメドウは家に連れ戻されて叱られる。同じころ、第四話で死んだジャッキーの兄リッチーが出所して昔の縄張りを要求し、精神分析医メルフィーはトニー・ソプラノの診療を拒否したことで罪の意識を感じ始める。
17.Commendatori:  トニー・ソプラノはファミリーの幹部を率いてナポリを訪れ(全員イタリアは初めて、ということではしゃいでいた)、現地の組織と盗難車の売買について交渉するが、事前にジュニアから得ていた情報と事なり、ナポリのファミリーはドンの娘によって仕切られている。一方、ニュージャージーではカメーラがプッシーの妻から悩みを打ち明けられる。
18.Big Girls Don't Cry:  トニー・ソプラノのファミリーにナポリから送られたフリオが加わり、プッシーは事実上の格下げになる。そしてプッシーはFBIと接触しているところを知人に目撃され、プッシーの妻は夫が自分の乳癌検診の結果にまったく関心を抱こうとしないことに腹を立て、なぜか脚本家を志望するクリスは脚本家養成講座にかよい、精神分析医メルフィーはみずからを罪悪感から救うためにトニー・ソプラノへ連絡する。セラピー復活。
19.The Happy Wanderer:  トニー・ソプラノはホテルの一室でおこなわれるVIPポーカー(本物のシナトラ・ジュニアがゲスト出演)を開くが、そこへスポーツ用品店を経営するデヴィッド(ゲスト出演ロバート・パトリック)が現われ、自分も入りたいと頼み込んで結局高額の借金をこしらえる。ところがデヴィッドはリッチーに借金をしており、デヴィッドに対する取り立ての優先順位でトニー・ソプラノとリッチーのあいだに緊張が走る、というか、リッチーが譲歩する。
20.D-Girl:  FBIはいよいよ大胆になり、プッシーの自宅や仕事場に押しかけて情報を要求し、脚本家志望のクリスはハリウッドのエージェントと知りあいになり、その伝手で撮影現場にもぐり込んで映画製作に関心を抱く。一方、トニー・ソプラノの息子アンソニーは母親の車を壊した上に、堅信礼を前にしてカミュを読み、神は死んだなどと親の前で口走る。言ってみたい年ごろかもしれない。
21.Full Leather Jacket:  メドウの大学受験でカメーラのストレスが高まっている。ソプラノ夫妻はジョージタウン大学への入学を勧めているが、親元から離れたいメドウはバークレーの名前を口にする。そしてカメーラがメドウの推薦状を得るために隣人を説得していた頃、クリスの子分マットとショーンはでかいことをやろうと考え、考えた結果、クリスを撃つ。というわけでトニー・ソプラノもストレスにさらされ、セラピーに出かける。 22.From Where to Eternity:  病院に担ぎ込まれたクリスは一度は心停止に至るものの、どうにか復活。そして臨死体験を語り、トニー・ソプラノの右腕ポーリーはなぜかその話を真に受け、悪夢に悩まされた末に霊媒師のところへ出かけていく。トニー・ソプラノはプッシーに命じてマットを探させ(ショーンは現場で死亡している)、ジェニファー・メルフィー医師はトニー・ソプラノのセラピーの問題で不安を抱き、自らもまたセラピーを受ける。 23.Bust Out:  マット殺害の目撃者が現われ、警察はトニー・ソプラノに任意出頭を求める。トニー・ソプラノは逃亡を考え、一方、妻カメーラは事情を知らないまま、トニー・ソプラノの異常な緊張をなじり、娘の進学を心配し、壁紙職人に引き寄せられる。その壁紙職人は十九話に登場したデヴィッドの義兄で、デヴィッドが借金のかたに店を失いつつあることを知り、義弟の賭博癖を批判する。
24.Home Arrest:  目撃者が証言を取り下げた結果、トニー・ソプラノは問題から解放されるが、弁護士の勧めにしたがってしばらくは合法的な事業(廃棄物処理)に専念することにする。ところがリッチーの指示で廃棄物処理トラックが回収ルートで麻薬をさばいていることがわかり、そのリッチーが姉との結婚を具体的に勧め始めると、おそらくはリッチー当人よりも姉への嫌悪感からトニー・ソプラノのストレスは高くなり、再びパニックに襲われる。トニー・ソプラノはセラピーの継続に疑問を抱くが、メルフィー医師は治療の継続を主張し、そのメルフィー医師はアルコール依存度を高めていく。
25.The Knight in White Satin Armor:  トニー・ソプラノはカメーラとの約束どおりにロシア人ガールフレンドとの関係を絶ち、ロシア人ガールフレンドは人生を憂えて自殺未遂をする。一方、リッチーはトニー・ソプラノに対して反乱をたくらみ、そのためにジュニアを担ぎ出そうと画策するが、ジュニアは日和見を決め込み、当のリッチーは婚約したばかりのジャニスによって射殺され、トニー・ソプラノは後始末をしてからジャニスをシアトルへ追い返す。
26.Funhouse:  プッシーはFBIの情報源となるだけでは飽き足らずに自らもまた法の番人であろうと考え、クリスとその一味を尾行して轢き逃げ事件を引き起こす。一方、トニー・ソプラノはインド料理か、そのあとに食べたムール貝にあたって一晩中苦しみ、その苦しみのなかで悪夢を見てプッシーの裏切りを確信する。
(Season 3)
27.Mr.Ruggerio's Neigbhborhood:  FBIはトニー・ソプラノの自宅地下室に盗聴器を仕掛ける。盗聴器を一つ仕掛けるのも実はものすごくたいへんなのだ、というお話である。まず家族とお手伝いが全員外出するのを待って(もちろん全員に尾行をつける)下見をおこない、盗聴器の仕掛け方を決定したあと、再び家族とお手伝いが全員外出するのを待って侵入する。いまのところ、盗聴器はたいした会話を捉えていない。
28.Proshai, Livushka:  トニー・ソプラノの母リヴィアが脳卒中で死ぬ(葬儀にはFBIからも花輪が届けられる)。トニー・ソプラノは安堵するが、母の死によって安堵したのだから、自分は親不孝者であるという意識を抱いている。一方、姉ジャニスが西海岸からやって来て早くも遺産相続問題を引っ張り出すが、追悼会ではみんなで母の思い出をなどと言い出すものだから(ときどきヒッピーに戻る)、最後には故人への悪口が避けられない。
29.Fortunate Son:  メルフィー医師のセラピーによってついにトニー・ソプラノの秘められた記憶があきらかにされる。昔、父親が肉屋をこらしめていたのを目撃していたために、肉類がパニック症候群を引き起こしていたらしい。ジャニスはリヴィアが遺した値打ち物のレコードのコレクションにこだわっているが、そのコレクションはロシア人家政婦スヴェトラナの物のなっている。このあたりから第4話で死んだジャッキー・アプリールの息子ジャッキーJr.がうろつくようになる。父親の希望を受けて医大に入学しているが、勉強を続けるよりはマフィア稼業を継ぎたいらしい。
30.Employee of the Month:  ジャニスはスヴェトラナの義足を隠し、返してほしければコレクションを引き渡すように要求する。メルフィー医師はオフィスの駐車場でレイプされ、犯人はいったん逮捕されるが警察のミスで釈放されてしまう。メルフィーは怒りを味わい、不思議な夢を見て自分の感情の正体を知る。トニー・ソプラノを頼れる男だと見ているらしい。
31.Another Toothpick:  トニー・ソプラノと娘メドウのあいだで冷戦状態が続いている。第28話でメドウのボーイフレンド(ユダヤとアフリカの混血)に対し、人種差別主義の本性を剥き出しにしたためである。ファミリーの一員が路上で暴行を受けて植物人間になり、その制裁のために老いて肺ガンで死にかかっている引退したマフィアが担ぎ出される。咳き込みながらチンピラを撃ち、一仕事を終えてタバコを吸いながらなおも咳き込むバート・ヤングがいい感じ。なお、ジュニアもすでに胃ガンを告知されており、老人世代は死にかけている。
32.University:  大学の寮ではメドウのルームメイトがホームシックから情緒不安定に陥り、そのせいでメドウとノア(ボーイフレンド)との関係に緊張が走る。一方、ソプラノ・ファミリーの一員ラルフはトニー・ソプラノから幹部昇進を見送られたことが面白くなくて、そこへ自らの男性性に挑戦されたことからストリッパーに暴力を振るい、そのことでトニー・ソプラノに殴られる。
33.Second Opinion:  ジュニアはガンの手術を受けるが、その直後に再手術の必要を知らされ、トニー・ソプラノの勧めにしたがってセカンド・オピニオンを受けると、その事実を担当医が警戒した結果、手術は中止され、科学療法に切り替えられる。クリスは幹部に昇格するが、ポーリーの新人いじめに出会って愚痴を言う。
34.He is Risen:  トニー・ソプラノとラルフの関係は悪化し、トニー・ソプラノはラルフを感謝祭の食事に招かないことにする。一方、ノアに関係を絶たれたメドウはクリスに接近し、トニー・ソプラノはメルフィー医師の患者グロリアと待合室で出会って関係を持つ。
35.The Telltale Moozadell:  カメーラの誕生日。トニー・ソプラノはカメーラに指輪を送り、その一方でグロリアとの関係を続け、メルフィー医師はその事実に薄々気づいているが、事実を明かさない患者に対して怒りを抱く。アンソニー・ジュニアは悪ふざけが原因で両親が学校に呼ばれることになり、クリスは共同経営権を取得したクラブの運営をエイドリアナに一任するが、そこではジャッキーの知り合いがトイレでエクスタシーをさばいている。
36.To Save Us All From Satan's Power :  例年クリスマスになるとプッシーがサンタクロースに扮して近所の子供たちにプレゼントを配っていたが、プッシー亡きあと、その代役を探さねばならず、結局太っているバカラにその役がまわるが、トニー・ソプラノそのほか幹部連中はプッシーの記憶にさいなまれ、一方、ジャッキーはピストルを所持しているところをトニー・ソプラノに見つかってメドウとの関係を危うくする。
37.Pine Barrens :  ポーリーとクリスはシルヴィオの代わりにロシア人のところへ借金の取り立てに出かけるが、ポーリーはこのロシア人を感情のおもむくままに袋だたきにしてしまう。ロシア人が死んだと考えた二人は死体を森に捨てに行くが、埋めようとしたところでロシア人は蘇生して逃げ出し、二人はロシア人を追いかけるうちに迷子になって一晩中森をさまようはめになる。
38.Amour Fou :  トニー・ソプラノとグロリアの関係が悪化する。グロリアは人格に問題があった模様で、メルフィー医師はグロリアとトニー・ソプラノの母親との性格の類似を指摘し、トニー・ソプラノが実は母親の愛を求めているのではないかと分析する。一方、ジャッキーはラルフから昔の話を聞いてその気になり、でかいことをしようとたくらむと早速仲間を誘ってなぜかラルフの賭場を襲撃し(つまり身内の賭場だから大目に見てもらえると考えたらしい)、そこにいたクリス、フリオの返り討ちにされてしまう。
39.Army of One :  アンソニーJr.はカンニングで高校を退学になり、怒ったトニー・ソプラノは息子を陸軍幼年学校に放り込もうとする。
(Season 4)
40.For All Debts Public and Private :  カメーラはトニー・ソプラノになにかあった場合に備えて財政を気にするようになり、ジュニアは裁判の弁護士費用がひどくかさんできることで悩んでいる。一方、FBIは女性捜査官に潜入捜査を命じてクリスの婚約者エイドリアーナに接近する。
41.No Show :  メドウは引きこもり状態になり、大学を休学してヨーロッパへ行くと宣言し、トニー・ソプラノはメドウをセラピーへ送り込むが、カウンセラーはトニー・ソプラノの期待に反してメドウの判断を応援する。幹部のポーリーは銃器の不法所持で刑務所にあり、クリスはポーリーの代理に任命される。潜入捜査中のFBI捜査官は正体を明かしてエイドリアーナに同行を求め、FBIの捜査チームはエイドリアーナに決断を要求する。
42.Christpher :  コロンブス・デイを間近にして先住民のグループがコロンブスを人道に反する罪で糾弾し、トニー・ソプラノ配下のシルヴィオその他を中心とするイタリア系市民の集まりはこれに激しく反発する。シルヴィオがコンシリオリだと初めてわかった。一方、ジャニスはラルフと関係を結んでいたが、カウンセラーの勧めにしたがって清算を決意する。
43.The Weight :  ソプラノ・ファミリーの幹部ラルフがカーマイン・ルペルタッツの幹部ジョニー・サックの妻を中傷する冗談を口にした結果、ジョニー・サックは激しくラルフと敵対してラルフを始末するよう求めるので、扱いに困ったボス、カーマインは決断を下す。体重を話題にしてはいけないという話である。
44.Pie-O-My :  ラルフの馬パイオマイがレースに勝つが、ラルフは馬に愛情を感じていない。アンソニー・ソプラノの妻カーメラは資産管理の問題で夫とやりあい、ラルフとわかれたジャニスはバカラに接近する。
45.Everybody Hurts :  アンソニー・ソプラノは国の福祉予算をからめた不動産詐欺を実行に移し、その過程で知人の州議会議員、黒人の慈善活動家、ヤクの売人、アンソニー・ソプラノのかつての愛人のロシア人などがからみ、みんなが少しずつ傷つくけれど、いちばん傷ついていたのはアンソニー・ソプラノだったらしい。
46.Watching Too Much Television :  トニー・ソプラノは不動産詐欺を仕掛け、FBIに狙いをつけられたエイドリアーナは証言を避けるためにクリスとの結婚へと突き進むが、よく調べてみると妻でも証言を免れることはできないらしい。銃の不法所持かなにかでぶちこまれていたポーリーが出所。
47.Mergers & Acquisitions :  トニー・ソプラノはラルフのガールフレンドで画廊に勤める女ヴァレンティナと関係を持ち、ラルフのやや特殊な性的嗜好を知ることになる。トニー・ソプラノの妻カーメラとフリオは互いの気持ちを告白しないまま、実は相思相愛の関係になり、フリオは禁じられた愛情を抱いて苦悩する。
48.Whoever Did This :  ラルフの息子が『指輪物語』ごっこの最中に重傷を負って半身不随となり、そのラルフが自分の馬パイオマイの厩舎に火を放って保険金を手にすると、トニー・ソプラノは馬を死に追いやったラルフに怒りを覚え、トニー・ソプラノの罵倒にラルフもまた罵倒を返すのでトニー・ソプラノは感情のおもむくままに行動する。どうやらトニー・ソプラノは人間に愛情を感じることができないらしい。このかん、ジュニアことコラド・ソプラノは裁判所の階段からアホウな理由で転げ落ちて入院するが、そのあとで痴呆の症状が表われる。
49.The Strong, Silent Type :  ラルフの突然の失踪にトニー・ソプラノ配下の幹部たちは動揺し、その幹部連を将来仕切るものと目されていたクリスは薬物中毒でかなり悲惨な状態に陥っていく。そこで家族も組織も力をあわせてクリスの現状への「介入」を決意し、アルコール中毒の経験者からの助言を得るとクリスを全員で取り囲む。クリスに現実を理解させるためであったが、結局は批判大会になり、少々の暴力がおこなわれ、クリスは更生施設に放り込まれる。
50.Calling All Cars :  トニー・ソプラノは奇妙な夢を見るようになり、セラピーの効果に疑いを抱く。遊歩道の建設請負と不動産詐欺の収益にからんでトニー・ソプラノ率いるジャージー・マフィアとニューヨークを拠点とするカーマインとの対立が進み、それはそれとしてトニー・ソプラノはメルフィー医師の診療を中止、コラド・ソプラノは自分の裁判の行方を見守っている。
51.Eloise :  カーメラとフリオは互いに狂おしい思いを抱き、フリオはついに恐ろしい衝動に襲われるに至って急遽イタリアへ帰国する。フリオが消えたあと、カーメラは異常な喪失感の虜となり、トニー・ソプラノはカーマインの右腕ジョニーから問題解決の提案を受ける。
52.Whitecaps :  更生施設にぶちこまれていたクリスが退院。トニー・ソプラノはカーメラのために海辺の家を購入しようとするが、横合いから唐突に不倫が暴露された結果、夫婦仲は一気に悪化し、離婚の危機にさらされる。そこでトニー・ソプラノは海辺の家の購入契約を撤回して手付金を回収しようと試みるが、持ち主のやり手風ヤッピー筋弁護士の反撃に出会い、セラピーによって断たれていたはずの幼少時のトラウマに基づくハムへの欲求が再発し、心はメルフィー医師を求めるもののセラピーを予約をするには至らない。トニー・ソプラノの危機は一気に関係者に知れ渡り、ニューヨークのカーマインもまた例外ではなかったので、両者はなぜか歩み寄ることになり、こちらの問題は解決される。
(Season 5)
53.Two Tonys:  長期刑を受けて刑務所にいた連中が釈放の時期を迎え、トニー・ソプラノは別居生活に入ってメルフィー医師を口説きにかかり、一方、家では庭にクマが出没する。
54.Rat Pack:  トニー・ソプラノのいとこトニー・ブルンデットがシャバに戻る。スティーブ・ブシェミである。トニー・ソプラノはこのトニー・Bのために盗難車を扱う仕事を用意して待っていたが、当人はマッサージ療法士の資格を取って堅気になると言う。川向こうのニューヨークではカーマインの葬儀がおこなわれ、リトル・カーマインとジョニー・サックがすでに対立を始めている。
55.Where's Johnny?:  コラド・ソプラノは死んだ弟を探して徘徊し、幹部のポーリーは出入りの庭師のことでよそのボスともめ始める。トニー・ソプラノはどうやら愛と触れ合いに飢えているらしい。
56.All Happy Families...:  ニューヨークではリトル・カーマインとジョニー・サックの対立が激化し始めているが、トニー・ソプラノの目下の問題は長男アンソニーの成績にある。そのアンソニーは母親カーメラとの約束に背いてニューヨークで遊び、カーメラは学校の進路指導部長に女としての関心を抱く。
57.Irregular Around the Margins:  トニー・ソプラノはクリスの婚約者エイドリアーナに男としての関心を抱き、その問題で久しぶりにメルフィー医師のカウンセリングを受ける。そしてメルフィー医師の勧めにしたがいエイドリアーナと距離を置くが、それでも噂が蔓延するのでクリスが激怒することになり、一方、カーメラは進路指導部長にいよいよ接近する。
58.Sentimental Education:  トニー・ソプラノのいとこトニー・ブルンデットはこの間黙々とマッサージ師の資格を得るための勉強を続けていたが、マッサージ店の出資者が見つかり、試験にも受かり、ということでいよいよ堅気への道を進んでいくが、なにしろスティーブ・ブシェミなのでやはりろくなことにはならないのである。このエピソードの監督はピーター・ボグダノヴィッチ。
59.In Camelot:  トニー・ソプラノが父親の墓参りに出かけていくと、同じように墓参りにやってきた見知らぬ老女と出会うが、これが父親の愛人であった女性であった。トニー・ソプラノはこの女性と言葉を交わすにつれて親しみを感じ、受け取るべき父親の遺産を受け取っていないと知ると、父親時代の仲間にあたって事情を確かめる。一方、クリスは麻薬更生施設で知り合った放送作家と再開し、賭博好きのこの男のために身内の賭場を紹介するが、放送作家は一晩で山ほどの借金をこしらえる。
60.Marco Polo:  ジョニー・サックとの対立を続けるリトル・カーマインはトニー・ブルンデットを戦争の手駒に加えようとしていた頃、カーメラは父親の75歳の誕生パーティにトニー・ソプラノを招くべきかどうかで悩み、父親の主張にしたがってトニー・ソプラノを招く。そのパーティに子連れでやってきたトニー・ブルンデットはトニー・ソプラノの豊かな生活ぶりを目で確かめ、さらに息子たちがトニー・ソプラノの息子をうらやむのを見て決断し、パーティが終わったあと、トニー・ソプラノはカーメラと関係を持つ。
61.Unidentified Black Males:  カーメラは離婚手続きを再開するが、トニー・ソプラノの姑息な妨害に遭う。トニー・ブルンデットの決断の結果、ニューヨークではジョニー・サックが疑いを抱き、メドウは長い事情の末にボーイフレンドのフィンとの婚約を決め、トニー・ソプラノには発作が戻る。
62.Cold Cuts:  トニー・ソプラノの姉ジャニス・バカラは義理の娘のサッカー試合で対戦チームの選手の母親に暴力をふるい、夫バカラから最終通告にしたがって怒りを抑えるセラピーを受ける。一方、トニー・ソプラノは古馴染みが高齢のために農場を売ることを知り、その農場に埋まっている面倒なものを処分するためにクリストトニー・ブルンデットを送り出す。
63.The Test Dream:  トニー・ソプラノは家政婦の不手際に耐えられなくなってセントラルパークを見下ろすプラザホテルに移り住み、手持ち無沙汰に耐えられずにコールガールを呼んだあと、眠りに落ちる。ほぼ全編、夢。夢のなかでアネット・ベニングがアネット・ベニングの役で登場し、トニー・ソプラノを非難する。夢から覚めたトニー・ソプラノはクリスからトニー・ブルンデットが暴走したことを知らされる。
64.Long Term Parking:  トニー・ブルンデットの暴走によってトニー・ソプラノは窮地に陥り、一方、エイドリアーナはいよいよ厳しくFBIに締め上げられて、クリスを抱き込むことに同意する。トニー・ソプラノはカーメラと和解して家に戻る。
65.All Due Respect:  ジョニー・サックはトニー・ブルンデットの一件でトニー・ソプラノに圧力を加え、それでもトニー・ブルンデットを渡そうとしないトニー・ソプラノに対してファミリーの幹部は反発する。コラド・ソプラノは惚けが進行して頼りにならず、メルフィー医師はトニー・ソプラノの感情の起源について分析し、トニー・ソプラノは息子の進路について心配しながらトニー・ブルンデットの問題を解決する。

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