ALWAYS 三丁目の夕日
- Aloysius' Rating:  5/10
2005年 日本 133分
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、堀北真希、三浦友和、須賀健太、小清水一揮


突貫工事で建設が進む東京タワーを背景に港区芝とおぼしき下町で涙とか笑いとかの小さな事件がいろいろと起こる。
出演者は子役も含め、おおむね魅力的である。昭和33年の生活を細部にわたって再現しようと試みた美術は賞賛に値するし、CGで風景を再現する手法についていえば、手前の人間との質感の微妙なギャップがいくらか気になったが、 『スパイ・ゾルゲ』 などよりはるかに洗練されている。これは監督の功績であろう。とはいえ語り口はまずいし、朝の連続テレビ小説みたいなぺたっとした映像は感心しないし(カメラがすぐに上へ逃げるのは狭いセットの制約なのか)、音楽はまるで「新日本紀行」である。これもまた空想上の昭和三十年代だとすれば、空気も含めてそれを表現しようとした点で 『惑星大怪獣ネガドン』 のほうが偉かったかもしれない。ただ幸いなことに、全体的な愚直さも退屈さも馬鹿正直な題材に救われて必ずしも失点とはなっていない。実はノスタルジー系のCMをだらだらと並べただけではないか、という気がするものの(実は最初のゴム動力飛行機でちょっとげっそりした)、ファミリー映画としての水準はクリアしていると思う。

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