2005.09.01 thu.
夜、大蟻食がパエリアを作る。
2005.09.02 fri.
夜、大蟻食と一緒にビデオで 『ナショナル・トレジャー』 を見る。なんだ、面白いじゃん。
「本棚の一角」北野勇作『空獏』 を追加した。
2005.09.03 sat.
頭痛。ほぼ終日、横たわって過ごす。横たわった状態で痛みの合間にトーマス・ベルンハルト『ふちなし帽』(西川賢一訳、柏書房)を読み終える。短編集である。語り口は例によってきわめて特徴的だが、残念なことに訳があまりよろしくない。統一性のない文体、ことさらな口語体の採用、助詞の省略、と全体に安定感を排除するような傾向があり、訳文から得る印象はしばしば暴力的で、ある種の悪凝りのように感じられた。そもそも読みやすい作品ではないはずなので、それをまた読みづらくする意図がよくわからない。池田信雄訳の踏襲ではなぜいけないのか、とわたしは思うのである。翻訳者自身の文章はどちらかと言えば淡々としていて平易なので、なおさらである。
2005.09.04 sun.
頭痛。終日、横たわっている。
2005.09.07 wed.
お招きをいただいたので、夜、大蟻食と一緒に麻布十番の「リストランテ キオラ」へ。イタリア料理のフルコースは久しぶり。
2005.09.10 sat.
大蟻食は何か怪しい講習会へ。わたしは家でダグラス・アダムズ『銀河ヒッチハイク・ガイド』(安原和見訳、河出文庫)を読む。四半世紀前の風見訳に比べると、やや気負った印象を受けたが、これは訳者が原作へ傾倒しているせいであろう。軽いというよりはフラットな感じで、旧訳で育った人間には少々とっつきが悪い。ただ、原典と比較したわけではないけれど、新訳のほうがオリジナルのテクストの雰囲気に近いのではないか、という気がした。とにかくこのまま頑張って全巻出してほしい。
2005.09.11 sun.
朝、大蟻食と一緒に六本木へ。 『銀河ヒッチハイク・ガイド』 を見る。非常に満足する。引き続き、 『チャーリーとチョコレート工場』 を見る。こちらも満足(子供にはちょっと怖かったのか、泣きだした子がいた)。出てきたらものすごい雨になっていて、雷まで鳴っている。そしてヴァージンシネマから日比谷線の駅までのルートは屋根で守られていない。実際、台風が接近しているようなときにヴァージンシネマに近づくのはけっこうたいへんなのである。係員の誘導で劇場の裏口から脱出し、六本木ヒルズ内で軽く食事をして帰宅。夜、大蟻食のお母さんと大蟻食と一緒にLe Bouillonへ。松茸とフォアグラのキャベツ包み(すごかった)、鯛のポワレ、クスクス(やっぱり好き)、いちじくのコンポート。満腹して帰ってきたら、自民党が圧勝していた。
2005.09.16 fri.
大蟻食の誕生日。お昼はLe Bouillonへ。夜、ビデオで 『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物』 を見る。とにかく絵は美しいと思う。引き続き、 『シュトラフバット』 の第六話と第七話を見る。
2005.09.17 sat.
夜、大蟻食と一緒にビデオで 『シュトラフバット』 を最後まで見る。それなりに面白かった、と思うのである。
2005.09.18 sun.
夜、大蟻食と一緒にビデオで 『ダブリン上等!』 を見る。これもそれなりに面白かった、と思うのである。
2005.09.19 mon.
昼過ぎ、ゴンゾの家へ。小谷真理さんに教えてもらった「ダヴィッド・デリ」というユダヤ系料理のお店でベーグルやシャシリクなどを買い求めて帰宅。大蟻食と一緒に食べる。夜、ビデオで 『ブラス!』 を見る。
お知らせ:小説すばる10月号に短編『吸血鬼』が掲載されています。
2005.09.22 thu.
ビデオで 『ステップフォード・ワイフ』 を見る。引き続き、 『ザ・インタープリター』 も見る。なぜかニコール・キッドマン大会である。
2005.09.23 fri.
大蟻食がほしい、というので「月刊少年エースA」を買う。このたぐいのコミック雑誌を買うのは本当に久しぶり。
2005.09.24 sat.
日中、頭痛。夜、大蟻食と一緒にビデオで 『下妻物語』 を見る。意外なことに、と言っては失礼だが、よくできた映画なのであった。
2005.09.25 sun.
晴れ。やや強い北の風。気温がかなり下がってきた。午後、大蟻食と一緒に散歩に出る。本を買い、チョコレートを買い、ケーキを買い、紅茶を買って帰宅する。夜、『ケロロ軍曹』第二シーズンの初期エピソードを見る。ずいぶんと時間をかけて仕切り直しをやっていた。ネタがないのであろうか、と心配になる。

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