2002.3.1 fri.

大蟻食とルディが新潟から戻る。夜、大蟻食と一緒に「徳間文芸賞」のパーティへ。今回の日本SF大賞は北野さん「かめくん」である。北野さん、改めておめでとう。

あと、お知らせですが、刊行中のSFバカ本「電撃ボンバー」編(メディアファクトリー)に短編「かにくい」が載っています。


2002.3.2 sat.

朝起きたら異様な飢餓感に襲われていた。なぜかめん類が食べたくてどうしようもなくて(つまり二日酔いだったのだろうか)、大蟻食と一緒にベトナム料理店を目指して家を出る。途中、洋風懐石の店の前をとおったら、そこへ久しく入っていないということを不意に思い出して、その瞬間にめん類はどうでもよくなってそちらへ入ることにする。控えめな味で胃に優しい。「凧」と書いて「ハタ」と読む店である。ちなみにこの店には牛のにぎりという料理があるのだけど、わたしはまだ食べたことがない。食事の後、今度は甘い物が妙にほしくなって、クイニーアマンを探してフォーションへ。あった。ほかにも少し買い求めて、帰宅してお茶をする。
夕方になってから渋谷へ。実は「ロード・オブ・ザ・リング」と「モンスター・インク」を一気に片づけようと思って出かけたのだけど、なんとどちらも事実上のお立ち見なのであった。泣きながら自由ケ丘へ戻り、大蟻食が出かける前に仕込んでおいた白菜と肉団子の煮込みを食べながら 「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」 を見る。映画古来のドミネーションの構図、つまりフレームを決める奴が偉いという構図が改めて強調されていて、それは大蟻食には受けていた。引き続き、 「ファイナル・ファンタジー」 を見る。


2002.3.3 sun.

この二日ばかり暖かかったのが、また寒くなる。午前中は美容院へ。寒いですねえ、という会話をしながら短めにカットしてもらう。お昼ご飯は最近町で見かけるパニーニ売りのおじさんからランチボックスを買って食べる。ローストチキンとパニーニとパンナコッタが入って750円。パニーニをサフランライスにすると650円。まあまあ。パンナコッタは美味しかったと思う。日中は例によって朦朧と過ごし、夕方、大蟻食と一緒に散歩に出る。モンブランでケーキを食べて、買い物をして帰宅する。晩ご飯はポルトガル風のタラのチャーハン。


2002.3.6 wed.

大蟻食と一緒に朝から渋谷へ。 「ロード・オブ・ザ・リング」 を見るためである。渋谷東急2の8:45の回が行ってみたらすでにお立ち見、慌てて松竹セントラルへ移動して、9:00の回にもぐり込む。こちらもほとんどお立ち見状態。「スクリーン前のお席です」というやつである。3時間の映画なので、出てきたらもうお昼。とにかく頑張って作った映画だということはよくわかった。ただ残念ながら、大蟻食もわたしも「指輪物語」のような世界、つまりドワーフやエルフ、人間が別個に暮らしているという世界はあまり好きではないのである(理念だけを先に押し立てた民族自決主義の気配を感じる)。見終わった後は自由ケ丘へ戻って昼食。一休みして、ここから先がアホだと思うわけだけど、だったら「モンスター・インク」も見てしまおうという話になってもう一度渋谷へ。ところがこれもお立ち見だったのである。ファン感謝デーで1000円だからという理由だけで混んでいるようにも思えないのだが、もしかしたら映画に客が戻ってきているのだろうか。いずれにしても撤退を決めて、東急東横店でブルーマウンテンのソフトクリームとかいうのを舐めてから帰宅する。途中、ビデオ屋に寄って 「ロック・ユー」 を借りて、まず餃子の皮を包みながら見始めて、次に水餃子を食べながら残りを見る。あまりにもアホな映画なのでひっくり返って笑っていたが、もしかしたら傑作なのかもしれない。


2002.3.7 thu.

ふと思い立って大蟻食と一緒に有楽町へ。 「モンスターズ・インク」 を見る。丸の内ピカデリーでは昼間でも字幕版を上映していることに気がついたからである。それなりの客の入り。本編が始まる前の短編映画だけでも入場料が回収できたのではないだろうか。いやあ、目つきの悪い鳥どもだった。ちなみに隣の劇場では 「ロード・オブ・ザ・リング」 を上映していたが、こちらはここでもお立ち見であった。


2002.3.8 fri.

「鬼武者2」を購入する。で、早速ちょっぴりやってみたけれど、事実上のパーティを組むようになっていたり、仲間同士で好感度を高めあったりと、ずいぶんRPG的なシステムに変更されている。それでも本体部分はアクション・ゲームのままなので、どうしてもバランスの悪さを感じてしまう。夜は一人でフィリップ・K・ディック原作の 「クローン」 を見る。この手の映画としてはゲイリー・シニーズ、マデリーン・ストウとちょっと高級なキャスティングになっていて、絵に描いたような悪夢の未来世界が登場する。


2002.3.9 sat.

「鬼武者2」の続き。夜は大蟻食と二人で 「ロンドン・ドッグズ」 を見る。後半が少々辛かった。


2002.3.10 sun.

「鬼武者2」の続き。午後から新宿御苑へ。わたしの両親とわたしの弟一家と合流し、みんなでお茶をして帰宅する。


2002.3.11 mon.

「鬼武者2」終了。最後のボス戦はちょっと腹立ったぞ。あそこまでいったら予算がなくなったのだろうか。


2002.3.15 fri.

大蟻食がどうしても見たいというので 「ウォーターボーイズ」 を見る。まあいいけど。


2002.3.16 sat.

朝食の後、大蟻食と一緒に銀座へ。まず千疋屋で店員にメロンを選んでもらう。二階のパーラーへは何度も入ったことがあったけど、一階の売り場へ足を踏み入れたのは実はこれは初めてであった。メロンと一緒にサクランボのシロップ漬けも購入する。千疋屋を出た後は三越の地下へ。そこでお弁当を買って、それからわたしの実家へ行く。メロンは大蟻食のお母さんからわたしの父へのお見舞い、サクランボのシロップ漬けは大蟻食の自宅用、お弁当はみんなで食べるためである。実家へは弟一家もやってきていて、4ケ月目に入った姪っ子が機嫌を損ねて泣いていた。暑かったらしい。ほとんど5月下旬の気候だから、当然のことであろう。みんなが姪っ子にかまうので、ゴンゾも機嫌を損ねていた。わたしの実家を出た後、青山にあるヨージ・ヤマモトのブティックへ。上から下まで見物してから自由ケ丘へ戻り、モンブランでケーキを買って帰宅する。ホワイトデーの余波なのか、モンブランでは男性客が目立っていた。帰宅して、しばらくしてからガス会社のひとがガスの点火試験にやってきた。実は朝からガス管の切り替え工事があって、ガスが使えない状態だったのである。お湯を沸かしてケーキ(季節限定イチゴのミルフィーユだ!)を食べながら 「海の上のピアニスト」 を見る。千疋屋の売り場に入ったのが初めてならば、ジュゼッペ・トルナトーレの映画を見るのもこれが初めてである(ヨージ・ヤマモトの原宿のブティックもうそうだけど)。見ている間にワインに移行し、飲み食いを続けながら20数年ぶりにミハルコフの 「愛の奴隷」 を観賞する。


2002.3.17 sun.

千疋屋のサクランボだけど、これまで味わった種類のない食べ物であった。淡くて品のいい味をしていて、ほのかな甘味を放ちながら舌の上で溶けていくのである。なんだかふわふわしていて腰がないなどと言いながら、二人であっという間に食べてしまった。結局のところ、うまかったのである。たぶん次はブドウのシロップ漬けに挑戦するのではあるまいか。


2002.3.21 thu.

大蟻食と一緒にわたしの実家へ。16日に持ち込んだメロンが前日に食べごろを迎えていたからである。いや、実に立派なメロンであった。


2002.3.23 sat.

大蟻食は新潟へ。今回はルディ(くたくた犬)はお留守番である。ちょっと早めに起きて東京駅へ出てキティちゃん弁当を購入し、それから大蟻食の妹さん、大蟻食の甥、大蟻食の姪と合流して、大蟻食の甥はこの4月から小学校ということなのでお祝いを渡す。大蟻食と大蟻食の妹さん、大蟻食の甥、大蟻食の姪が新幹線乗り場へ入るところまでを見送ってわたしは帰宅。夕方、ビデオ屋へ行って、レンタルから撤退していくという話を聞かされてショックを受ける。マンダラハウスという店である。15年以上つきあってきた小さな店で、コンピュータ管理もされていない代わりに融通がきいて、会員証を忘れても貸してくれたし、取り置きを頼めば取っておいてくれたし(電話で連絡してくれる)、しかもビデオはジャケットごと貸してくれる(ジャケットのないビデオが貸し出し中という意味になる)というよい店だったのである。しかも店員のひとたちは皆それぞれに映画にくわしくて、頼りになった。向かいに比較的大きめのレンタルビデオ店ができたから、というのが直接の理由のようなのだが、結局のところ、大型店でなければ立ち行かないということらしい。ちなみに向かいにできた大きな店はビッグタイトルばかりを並べていて、ちょっとさびしい感じがするのである。マンダラハウスの方で 「エニイ・ギブン・サンデー」 を借りて家に戻る。オリバー・ストーンのスポ根映画である。それなりに感心はしたものの、物足りない思いを感じたので、劇場版 「サウスパーク」 を見て寝てしまう。


2002.3.24 sun.

午前中に渋谷のビックカメラへ。TAを購入する。わたしはまだINS64を使っているのである。帰宅してTAを交換し、ふと思い立って机の向きを90度変えてみる。これまで壁に向いていた机を窓に向けたことになるのだが、そのためにはまわりに積んである本やらビデオやら箱やら何やらを動かさねばならばず、結局夕方までかかってしまった。
夕方、大蟻食が新潟から戻る。新潟県見附市の図書館で講演をしてきたのである。おみやげに富山の鱒寿司と瑞花のおせんべいを買ってきてくれたので、鱒寿司を夕食に食べ、続いておせんべいを食べながら、なんとなく 「キング・コング」 を見始める。机のまわりを整理したら、山の底の方からビデオが出てきたのである。コングの生活空間にはストレスが多すぎるのではないかと、大蟻食は心配していた。映画を見終わった後、そのままなんとなくNHKスペシャル「宇宙」の再放送を見始める。銀河系がズゴゴゴゴゴゴと音をたてて回転するのはやっぱり変だと、大蟻食が文句を言い、それからワインを飲んで寝てしまう。


2002.3.27 wed.

雨模様。大蟻食はルディと一緒にヴェネチアへ。


2002.3.29 fri.

終日雨。夜になって強い南の風。雨脚も強い。ふと思い立って内田吐夢の 「飢餓海峡」 を見る。白状すると内田吐夢の作品を見るのはこれは初めて、水上勉の原作も読んでいないという有様である。知らない世界の話だねえ。


2002.3.30 sat.

快晴。ニュースでは五月中旬の気温とか言っている。ふと思い立って 「新幹線大爆破」 を見る。これはほとんど20年ぶり。で、二晩続けて悪の論理の背後には必ず貧困があるという論理を見物したことになるのである。いささか食傷したので今度は 「スコア」 を見る。悪の論理の背後には向上心があるという論理の方が、やっぱりわたしには受け入れやすいみたい。


2002.3.31 sun.

夕方から雷雨。稲妻がすごい。ふと思い立って(そればかりだけど) 「RED SHADOW 」 を見てみる。たぶん「赤影」とは何の関係もないのだろう。ついでに 「バトル・ロワイアル」 も見てみる。考えていたほど悪くはなかった。最後に 「レジェンド・オブ・フォール」 を見る。これもまあまあ。ちなみに大蟻食は快適に暮らしている模様。


 < 亭主の日々 >