マトリクス・リローデッド
- Aloysius' Rating: 6/10
2003年 アメリカ 138分
監督・脚本:ウォシャウスキ兄弟
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング


機械による世界支配に断固として抵抗する人類は地下深くにザイオンと呼ばれる都市を構えてホバークラフトの発進拠点としていたが、いま、そのザイオンに向かって機械の軍団が猛烈な速度で近づいていた。司令官ロックは全艦艇にザイオン防衛のために全艦艇に帰還を命じるが、『ネブカドネザル』の艦長モーフィアスはあえてその命令に逆らって(実はロック司令官との間に女性をはさんで三角関係を結んでいたからでもあったが)、マトリクスに一隻を残して預言者オシリスとの接触を図る。ザイオンへ戻ったモーフィアスを司令官ロックは譴責するが、予言を信じ、またネオが救世主であると信じるモーフィアスはロックに対して反抗的な態度を取り続ける。そしてロック司令官としては信じがたいごとにザイオンの意思決定機関である「評議会」はことごとにモーフィアスの判断を支持して防衛司令官の権威を損なうのであった(それというのもロック司令官が明らかに無能だったからであったが、だったらどうして解任しないのか)。やがて預言者からの知らせがもたらされ、充電を完了した『ネブカドネザル』はザイオンを発進してマトリクスへと接近する。ネオたちはマトリクスに接続し、電脳空間でオシリスとの接触を果たす。予言を成就させるためには電脳空間の中心部へ入り込まなければならないらしい。そしてそこへの扉を開くためには捕らわれのキー・メイカーを解放しなければならなかった。ネオ、モーフィアス、トリニティは手がかりを求めて謎の人物メロヴィンジアンに接近する。メロヴィンジアンはフランス語がセクシーだと思い込んでいるデカダンであったが、文化的な思い込みがあるだけネオたちよりもましに見える。戦いが始まり、ウィルス化したエージェント・スミスは自己増殖を繰り返してネオたちに襲い掛かる。その間も機械軍団はザイオンに刻々と近づき、ネオはマトリクスの真相に迫り、遂に人類対機械の最後の戦いの日が訪れ、トリニティはエージェント・スミスに追われて窮地に落ち、さらにあれやこれやがあった後で話は次回へと続くのであった。
つまり預言者に会って手がかりをもらって、アイテムを手に入れて秘密の場所で情報を聞く、という以上の内容はない。それでも実はこの世界は電脳空間で目覚めると君の目にも真実が見えてくる、という恥ずかしい状況はすでに一作目で終了しているので、その分だけ我慢しやすくなっている。とはいえ「選択」だの「支配」だのといった単語が意味ありげに散らされていたり、何かというとやたらと力んだり、というのはあまりこちらの趣味ではなかった。例によって抵抗組織が地下に巣食っていたりとか、評議会は老人ばかりとか、司令官が無能であるとか、民衆は救世主の前で考えもなしに跪拝するとか、そういうところも趣味ではなかった。趣味ではないということで沈黙すべきかもしれないが、たとえばこういう映画を見る前日にポランスキーの  「戦場のピアニスト」 を見ていたりすると空疎さがひどく目立つのである。もちろんアクション・シーンにかけられている(ほとんど天文学的なレベルの)手間にはただ感心するしかないと思う。とはいえ、カンフー・アクションはたぶん長過ぎ(しかもこれが戦うためだけではなくて本人確認のためにも使われたりするのだが、電脳空間での認証行為がそうなるというのは信じがたい)。例の高速道路の場面も驚くべきシーンの連続であったが、これもたぶん長過ぎた。疲れるのである。成り行き上、「レボリューション」も見ると思うけど、実はザイオンもフェイクで物理現実はさらにその外側にあった、というような結末じゃないだろうね。
<THE MATRIX>
マトリクス
マトリクス・リローデッド
マトリクス・レボリューションズ

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