マトリックス
- Aloysius' Rating: 4/10
1999年 アメリカ 136分
監督・脚本:ウォシャウスキ兄弟
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス


たいそうな評判だったが、わたしの方の評価はスカである(我慢できなくなって途中で眠った)。ウォシャウスキー兄弟の場合、むしろ 「バウンド」 のような限定された空間処理の方がうまいのではないだろうか。
劇場の予告編やテレビスポットで流れたようなアクション・シーンがほとんどなかった。まずそれで失望したのである。かわりにやっていたのはその昔どこかで見たようなSFで、その新味の乏しさで点が辛くなるし、ひねりの乏しさのせいで退屈することになる。この映画の基本設定(人類はコンピューターに支配されていて実は現実を生きていない)はSF映画のいわばお約束であり、それを説明するためになにやら延々と時間を使う必要はなかった筈である。問題はそういう約束の上に何が乗っているかであって、こちらとしてはそれはアクションであろうと期待していたのだが、どうも必ずしもそういうことではなかったようだ。視覚的には新しくて物語としての新しさはどこにもなかったのである。新しくなければならないと主張するつもりはないが、その安易な古めかしさのせいがあの結末(これから全人類一斉に起こすからな)をもたらしているのだろうし、覚醒すれば問題は解決するというこの結末は今時の映画としてはいささか想像力に欠けていると考えるのである。
ところで、見ていてどうしてもわからなかったことが一つある。「ゴースト」の転送に有線の電話が使えてなぜ携帯電話はだめだったのか。どちらにしても同じ仮想空間の中にあるのだから本質的な違いは何もないと思うのだが。

<THE MATRIX>
マトリクス
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