マトリクス・レボリューションズ
- Aloysius' Rating: 5/10
2003年 アメリカ 129分
監督・脚本:ウォシャウスキ兄弟
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング
機械軍団はザイオンに迫り、ネオはマトリックスとマシンの狭間に落ち込んで身動きが取れなくなっている。そこへオラクルからの連絡があり、トリニティとモーフィアスはマトリックスにダイブする。どうやらネオを解放する鍵はメロビンジアンの手中にあり、そこで二人はオラクルのボディガード、セラフとともにメロビンジアンのクラブへ突入する。いろいろとアクションがあって一応は交渉するようなふりがあって、結局は実力行使で説得するとトリニティはネオの元へ急ぐのであった。ネオはオラクルと再開し、わかったようなわからないような問答があり、ネオが物理現実世界で怪しい技を使う理由も案の定、わからなかったりするのである。その物理現実世界では裏切り者のベインが目覚め、ホバークラフトの船長たちはザイオンを救うために奇襲ルートの検討にかかり、一方ネオはこの忙しいのに長考に入り、考えた末にマシンシティへ行こうと決意する。そこは人類が一度も踏み込んだことのない場所であった。誰を信じるの信じないといったやりとりの後で一行は二手に別れ、ネオとトリニティはロゴス号でマシンシティを目指し、モーフィアスやナイオビはハンマー号に乗り込んで機械軍団の背後へまわる。その機械軍団はすでにザイオンのドックへ侵入し、歩行兵器に乗り込んだ人類軍団の戦士たちがとんでもない規模の弾幕を張ってとんでもない数のセンティネルに立ち向かう。とはいえ所詮は多勢に無勢、人類側に勝機はないと見えたとき、通れない筈のパイプラインをくぐり抜けてハンマー号が姿を現わし、EPM兵器を発射するのであった。機械軍団はひとたまりもなく、人類軍団は喝采を叫ぶ。だが後続の機械軍団はすでに間近にまで押し寄せており、生存の希望はただ一人ネオに託される。そしてそのネオは再び怪しい技を弄してマシンシティの防衛戦を越え、平和の約束と引き換えにエージェント・スミスとの最後の対決に挑むのである。するとそこには町を埋め尽くすほどのエージェント・スミスが待ち構えていて、歯ぎしりをしているエージェント・スミスがいれば、うんうんとうなずいているエージェント・スミスもいるのであった。
時間を稼ぐためにやっているとしか思えないような禅問答や愁嘆場を取り除くと破綻したプロットの残骸しか残らない。その隙間は膨大な量のファンタジックな映像によって埋められているが、これも手間がかかっている割にはやっていることが一本調子で見ているうちに飽きてくる。そもそもの目論見は観客自身の自己神話化とそのプロセスへの感情移入にあるようなので、だから作り手は破綻を気にしていないし、それどころか内容的な空疎さや登場人物の造形の凡庸さ、対する設定の無意味なまでの過剰さもおそらくはすべて確信に基づくものであろう。規定の明確化や造形の緊密化は投影の妨げになるからである。萌えを前提にして投げ出された作品は、残念ながらわたしの舌にはあまり合わない。
<THE MATRIX>
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