千と千尋の神隠し
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千と千尋の神隠し(徳間書店/スタジオジブリ/日本テレビ/電通/ディズニー/東北新社/三菱商事 2001,125min.) 監督・脚本：宮崎駿　　 出演：柊 瑠美,上條恒彦,入野自由,小野武彦,夏木マリ,内藤剛,沢口靖子,菅原文太

神隠しの里で豚になってしまった両親を元の姿に戻すため、10歳の少女が魔女と契約を交わして風呂屋で働く。まず冒頭、怪しい土地へと踏み込んでいくあたりがきわめてよくできた怪談話になっていて、かなり怖い思いをした。ああいう、自分の意志に反してずんずんずんずんという状況は苦手なのである。そこから先のお風呂屋さんの話は、言ってしまえば八百万の神御用達の単なる温泉旅館であり、やっていることもそのまんま。ただ、ここに登場する旅館「油屋」の構造はものすごい。宮崎駿のメカニック描写は、今回は温泉旅館の仕組みに生きているのだ。このひとの場合、何を描写しても、それがきちんとシステムとして成立しているところがすごいのである。話は全体にこじんまりとしていて、展開も早いし決着も早い。そうした観点から考えると、主要な肉付けがおこなわれているのは千尋の冒険の方ではなく「顔なし」の方だということになる。似たような経験があるだけに、あの「二日酔い」の描写には思わず顔を背けたくなった。
<宮崎駿>
- 風の谷のナウシカ(1984)
- 天空の城ラピュタ(1986)
- となりのトトロ(1988)
- 魔女の宅急便(1989)
- 紅の豚(1992)
- もののけ姫(1997)
- 千と千尋の神隠し(2001)
- ハウルの動く城(2004)
- 崖の上のポニョ(2004)
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