2001.4.1 sun.

4月になった。返品する大蟻食を東京駅まで見送り、帰宅。途中でかわぐちかいじの「ジパング」(講談社)を買い求めたので、まずそれを読む。「やまと」の次は「みらい」ですか。でも次世代イージス艦の二番艦の名前が「あすか」だとすると、現役の試験艦「あすか」はどうなるのか。その後、ビデオで 「パトリオット」 を見る。


2001.4.2 mon.

河野仁「<玉砕>の軍隊、<生還>の軍隊」(講談社選書メチエ)を読み終える。ガダルカナル戦を中心に太平洋戦争中の日米両国兵士の行動原理を社会学的に解読しようという試みである。両国における歴史的な社会基盤を明らかにし、軍隊の態様を比較しながら戦闘部隊に配置された兵士個人の心理的側面に迫ろうという内容で、そこに見られる主要な差は動員システムの発生経路にあると指摘する。米軍兵士の行動の心理学的な研究成果についてはこれまでにもデーブ・グロスマン「『人殺し』の心理学」(原書房)などで読んだことがあったが、日本軍についてはこれが初めてでたいへんに興味深い。とりわけ日本軍における白兵戦主義を軍事的な合理主義の中で皇国史観と関連づける説明は面白く読んだ。この研究者には大著を期待したい。


2001.4.5 thu.

とうとうプレイステーション2を購入する。買っただけでは何もできないので「鬼武者」も購入する。買ってしまってから「バイオハザード」を途中で投げ出していたことを思い出し、基本的に同じシステムを採用している「鬼武者」が自分にできるかどうか、とてつもない不安を感じて大急ぎで帰る(なにしろ7800円もしたのだ)。幸いなことに「バイオハザード」よりもやりやすかった。びくびくしないでいいのもありがたいことだが、ほんとうに最後までできるかは今ひとつ自信がなかったりもする。


2001.4.6 fri.

返品した筈の大蟻食が新宿に落ちているという連絡が入り、ピックアップする。喉が渇いているというのでビールを飲み、渋谷でタワーレコードに立ち寄って「サウスパーク」のDVDを1巻から7巻まで買い求める。この頃には大蟻食も家にプレイステーション2=DVDプレイヤーが出現していることに気がついていて、小躍りしながらどこからともなく 「愛の奴隷」 のDVDを運んでくる。ついでにクストリッツァがプロデュースしたとかいうジプシーバンドのCDも買って、帰宅する。で、予定どおりならば「サウスパーク」を見る筈だったのが、予定に反して大蟻食が「鬼武者」にはまり込む。わたしは「たれぱんだ」の新刊「たれゆくままに」を読んで、しみじみとする。


2001.4.7 sat.

朝食を大急ぎで食べて渋谷へ。
「ハンニバル」を見る。 メジャー作品でこうした内容を扱うには、コードによる制約が大きいのかもしれない。見終わった後、昼食を軽く食べて帰宅。本来ならば夕刻、もう一度出て、井の頭公園で花見に参加する筈であったが、しなければならないことが突然噴出してきてこちらはキャンセル。代わりに自由が丘のピザ屋でテラスの席に陣取って通行人を見ながら夕食を食べる。


2001.4.8 sun.

朝食を大急ぎで食べて掃除。
昼過ぎ、わたしの両親が昼食を終えてからやってくる。両親が帰った後、こちらは遅い昼食。スパゲッティを食べて、散歩をする。暖かくなったので、すごい人出である。甥っ子がレゴのロボットを欲しがっているということで玩具屋に寄ったら、とんでもない物が置いてあった。スピルバーグの名を冠したレゴの新シリーズで、デジタルカメラが同梱された映画撮影セットである。思わず口を開けて見とれてしまったが、買うのは我慢する。Macintoshしかない我が家では、買っても画像の編集ができないからである。甥っ子が欲しがっているというロボットのシリーズは見当たらなかったので、店を出てモンブランでお茶をする。買い物を済ませて帰宅して、わたしは「鬼武者」をする。まだ天守閣の下のあたりをうろうろとしている。夜、大蟻食がおにぎりと卵焼きを作ったので、それを食べながら「リサーチ200X」を見る。


2001.4.11 wed.

夜、帰宅すると大蟻食が指が痛いと言って泣いていた。背中や腰も痛いと言う。亭主が外でいちおう仕事らしきことをしている間、一生懸命「鬼武者」をしていたのだそうである。最後までいって最終ボス戦で敗退したのだそうである。腹が立ったので夕食の後、わたしも「鬼武者」をする。まず自分のセーブデータからロードして最終ボス(フォーティンブラスだっけ? 幻魔の名前とも思えないが)を退治し、次に大蟻食のセーブデータからロードしてもう一度最終ボスを退治する。というわけで「鬼武者」終了。さっそく最初に戻って金城武にパンダの着ぐるみを着せてみる。凶悪な面構えのパンダがばっさばっさと化け物を切っていく光景はなかなかに異常でばかばかしくて、大蟻食は引っ繰り返って悶絶していた。

で、突然ですがここでお知らせです。
五月下旬に短編集「ぬかるんでから」が文藝春秋から刊行されます。
カバーイラストが大友克洋氏、オビのコピーが笙野頼子氏という豪華版です。


2001.4.13 fri.

13日の金曜日である。今日は大蟻食が日大で初講義。


2001.4.14 sat.

朝食を大急ぎで食べて渋谷へ。
「スターリングラード」 を見る。初日の一回目で7割の入りという感じであろうか。思っていたよりもかなり少ない。やっぱり戦争映画だと、宣伝で 「タイタニック」 より泣けるといったコピーをくっつけても動員力が弱いのかもしれない。ただ、 「U571」 とは明らかに違う客層で、あちらが男性客中心だったのに対して、こちらはご家族連れから若い男女のグループまで、随分とバリエーションがあった。上映が終わった直後、わたしたちの後ろにいた女子高生だか女子中学生だかの5人組が、「それでこれはどこまでが実話なのか」と議論していたが、これはなかなかに頼もしいと思う。ちなみにわたしの周りには、泣いていたひとはいなかった。大蟻食の話によれば、女性用トイレには泣いたと言っていたひとがいたという。
ロゴスキーで食事をして、お茶をして時間を潰してから続いて 「チキンラン」を見る。 字幕版の一回目で、6割程度の入りであろうか。天気がいいので、映画を見ようと考えるひとが少ないのかもしれない。帰宅して、巽孝之「アメリカン・ソドム」(研究社出版)を読む。アメリカ文学史の文化史的な解読をピューリタニズムが抱え込んでいる負の側面から解読しようという著作で、アメリカ文学に疎いわたしにとっても心性史的な意味で興味深い内容である。


2001.4.15 sun.

遅く起きて、散歩。暖かい。ほぼお茶の時間に妻家房で食事をして帰宅する。なんとなくごろごろしているうちに、一日が終わってしまう。


2001.4.17 tue.

夜、大蟻食と大蟻食のお母さんと食事をする。


2001.4.18 wed.

夜、大蟻食と大蟻食のお父さんと大蟻食のお母さんと食事をする。


2001.4.20 fri.

リチャード・ハワード 「ナポレオンの勇者たち:囚人部隊誕生」(早川文庫NV)というのを購入する。で、よく見たらこの作者のリチャード・ハワードというのはあのホラー作家ショーン・S・ハトソンの別名義ではないか。こいつナポレオン好きだったのか?
夜、大蟻食と一緒に「アリー・マイ・ラブ3」のまず6巻を見る。それから 「五条霊戦記」 を見たけれど、映画以前であるという印象が否めない。台詞が聞き取れないし、無意味な場面が多すぎる。どうしてこれほどまでに精彩を欠くことができるのかがわからないし、剣戟もよろしくない。これだったら「鬼武者」の方がよっぽど頑張っているのである。ということで口直しに「アリー・マイ・ラブ3」の7巻を見て寝てしまう。


2001.4.21 sat.

朝食を済ませて美容院へ。髪をかなり短くカットしてもらう。カットするごとにだんだん短くなっているような気がするのだが(事実そうしているのだと担当美容師から言われた)、不思議なことにあまり気にならない。現在の状態は、大蟻食に言わせると「アリー・マイ・ラブ」の末期ビリーそっくり、ということになる。ということで夜は「アリー・マイ・ラブ3」の8巻でビリーの葬式を見て、それから大蟻食が見るというので一緒に 「U-571」を見る。 人物描写のすっきりしないところが今一つの映画だが、それでもなんだか、やっぱり好き。


2001.4.22 sun.

大蟻食がオリーブの幼木を手に入れてきたので、植え替え用の鉢を探しながら散歩する。途中、酒屋の店先でランブルスコを安売りしていたので買い求め、初心者用のハーブ栽培の本と鉢と腐葉土を買って帰宅。わたしが家で朦朧としている間に大蟻食はもう一度外出して、月桂樹も買ってくる。ということで大蟻食の机の上にはオリーブと月桂樹の鉢が載っている。ハーブの栽培も始まるようである。


2001.4.23 mon.

帰宅するとワイルドストロベリーの鉢が出現していた。野苺ということになるのだろうか。ハーブの第一弾で、もちろん大蟻食が買ってきたのである。鉢はわたしの部屋に置くことになったのだが、改めて見てみるとわたしの部屋にはほとんど平面というものがない。棚には本が積んであるし、床にも本が積んであるからである。本を動かして鉢のための場所を作り、以降、鉢が増える場合には別途検討することにする。夕食を終え、それから大蟻食と並んでかわぐちかいじの「ジパング」(講談社)3巻を読む。今後どう展開するかは別としても、今のところは中庸路線でなかなかに面白いと思う。いちおう補給を気にするところも好感が持てる。ニュースステーションで自民党総裁選の予備選の状況を見てから夕食の片付けを終え、大蟻食はアイロンをかけ始める。大蟻食はアイロンを実に丁寧にかける。だから時間がかかる。時間がかかるから退屈するので、わたしは大蟻食がアイロンをかけている間、そばにいて「収容所群島」を朗読する。この4月からそういうことになったのである。第1巻の第2章まで読み終えている。「収容所群島」は全6巻である。ほんとうに最後までやるのだろうか。


2001.4.28 sat. - 2001.4.30 mon

ゴールデンウィークに入ったら、とたんに風邪である。どうにかしたことと言えば「アリー・マイ・ラブ3」の9巻と10巻を見たことだけ。


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