スーパー！
- Aloysius' Rating: 　6/10
2010年　アメリカ　96分
監督：ジェームズ・ガン
出演：レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ、リヴ・タイラー、ケヴィン・ベーコン、ネイサン・フィリオン、グレッグ・ヘンリー

ダイナーでコックをしているフランク・ダルボはウェイトレスのサラを見て、この女を娶れという神の声を聞き、薬物依存症から立ち直る途上にあったサラは察するに孤立感からフランクを受け入れたので二人は晴れて夫婦となるが、町のいわゆる小悪党ジョックがサラを薬物依存に引き戻し、サラはフランクを捨ててジョックのもとへ走り、サラに激しく未練を感じたフランクはストーカーまがいの行為を繰り返してサラを取り戻そうとするがジョックの手下によって袋叩きにされるので、寝床に横たわっておのれの不運を嘆いているとまたしても神の声を聞き、また神の指が脳に触れるのを感じてスーパーヒーローとなる決意をかため、まずコミックブックの店へ出かけていって先例を調べ、次にコスチュームを作って身にまとうとクリムゾンボルトとなって町のチンピラに殴りかかり、反撃されると武装の不足を感じてレンチを握り、町で見かけるありとあらゆる小悪に向かってこのレンチで鉄槌を下す一方、サラを取り戻すためにジョックの自宅に忍び込み、ピストルで撃たれて傷を負うとコミックブックの店で店員をしているリビーの家に転がり込んで手当を受け、フランクの正体を知ったリビーはただちにコスチュームを調達してクリムゾンボルトの相棒ボルティーを名乗っていきなり激しく興奮し、二人は銃器、爆弾で武装してジョックの家に襲撃を加え、ジョックの配下を血祭りにあげる。私製のしょぼいヒーローというところは 『キック・アス』 に似ているが、こちらは正義と私怨を取り違えている上に鬱積をたくわえてぶち切れているのでやることがかなり凄惨になっている。しかも相棒役のエレン・ペイジがとにかく凶暴で、げらげら笑いながら悪を倒す有様には、いかなる小悪にも容赦を知らないクリムゾンボルトも慄然とする。日ごろの鬱憤を糧にして、素面で 『ハングオーバー』 をやっているようなものなのである。監督は 『スリザー』 のジェームズ・ガン。いちいち凄惨な部分とコミカルな乗りの部分とが必ずしも噛み合っていないという難点があるものの、造形的なセンスは面白いし、俳優をうまく使っている。
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