カーズ
- Aloysius' Rating: 8/10
2006年 アメリカ 116分
監督:ジョン・ラセター
出演:オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント、ラリー・ザ・ケーブル・ガイ、マイケル・キートン
ライトニング・マックィーンは自信過剰で他を気づかわない新人レーサーであったが、ピストン・カップで他の優勝候補と並んで同着となり、決勝戦に出場するためにロサンゼルスを目指して進んでいると、途中でトレーラーから放り出され、インターステートに復帰しようとしているうちに道に迷い、地図に存在しない過疎の町ラジエーター・スプリングで道を破壊するほどの事故を起こし、罰として公共奉仕を命じられる。ジョン・ラセターが久々に監督したピクサー作品で、背景は現代アメリカ社会だけど、登場人物はすべて乗り物に置き換えられている。で、まずこの自動車たちがどれもすばらしく魅力的で、冒頭のレースシーンの走りもものすごいし(クラッシュも大迫力である)、ちょっと右のタイヤを上げて電灯のスイッチを切ったり入れたりというさりげない描写だけでもなんだかすごくぞくぞくするし、元弁護士のポルシェはちゃんと美人に見えてくる。そして肝心なところは人間の代わりにアニメーション・キャラクターの車がいる、ということを除けばあとは現実となにも変わらない、という点で、町の風景も自然の風景も膨大な視覚情報が織り込まれていて、ほとんど本物に近い状態にまで徹底的に作り込まれている。遠景ショットになって車たちが背を向けていたりすると、もうアニメには見えないのである。というわけでたいへんな手間のかかった映像の洪水に、ただもうひたすらに感動していた。劇映画としてもピクサー作品特有のひねりが利いているし(なかでも深夜のトラクターいじめは最高であった)、シュワルツェネッガーなハンヴィーも州知事の役で顔を出していたり、ということで満足感はきわめて高い。そして一作ごとにハードルを上げ、それを乗り越えてくるというピクサーの姿勢にはいつも感心させられる。
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