28日後...
- Aloysius' Rating: 5/10
2002年 オランダ・イギリス・アメリカ 113分
監督: ダニー・ボイル
出演: アレックス・パルマー、キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス


三人組の活動家がケンブリッジの霊長類研究センターに侵入する。そこではチンパンジーが見た目に明らかな虐待を受けている。さっそく解放しようとしていると研究所の職員が現われて言うのである。その猿は「怒り」に感染している。「怒り」は血液や唾液を媒介にして広がる。その感染力は猛烈に強い。
もちろん研究者がどう警告したところで、活動家というのは聞く耳を持たないのである。チンパンジーを一匹選んで解放すると、あっという間に恐ろしいことになって、それから28日が経過する。集中治療室で一人の若者が覚醒し、病院の中を歩き始める。病院も町も無人になっていて、呼べども叫べども返答がない。ところがとある教会に入っていくと、そこには生きている牧師がいて、凶暴化して襲いかかってきた。死体の山の中から同じような連中が姿を現わし、猛烈な勢いで突っ走ってくる。わけもわからずに逃げ出すと物陰から助っ人が現われて暴漢は火だるまとなり、それから説明がおこなわれるので問題がようやく明かされる。寝ていた間に文明は崩壊していて、ウィルスに感染した人々が生存者を襲っていたのであった。で、サバイバルが始まるのである。
無人のロンドンで起こる爆発、炎上するマンチェスター、とにかく突っ込んでくる感染者、と印象的な場面は多いものの、見ているうちに、これはもしかしたら同じ監督による 「ザ・ビーチ」 の焼き直しなのではないか、という気がしてならなかった。特定の閉塞状況に疎外感を上乗せするという手口が似ているのである。人物造形が行き当たりばったりに見えるところもよく似ていて、主人公がいったい何者なのか、あいにくとわたしには最後までわからなかった。単に今様の若者ということなのだろうか。設定はジョージ・A・ロメロの 「ザ・クレイジーズ」 から借りてきて、シチュエーションの作りもおおむねロメロの映画から引っ張っていて、そこに「ザ・ビーチ」が乗っかっているという感じになるのであろうか。別にそれが悪いとは思わないけれど消化不良の気配が多分にあって、居心地があまりよろしくない。加えて一人よがりなカット割り、あいまいな状況説明(とりわけ後半で、誰がどこにいて何を見ているのかがわからない)、感傷的なだけの結末、騒々しいだけで耳の健康にはなはだ悪い音響効果と、欠点が目につく映画であった。

<28 Days Later...>
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