Returner リターナー
- Aloysius' Rating: 3/10
Returner リターナー [日本 2002,118min.] [D] 山崎貴, [W] 山崎貴,平田研也, [C] 金城武,鈴木杏,樹木希林,岸谷五朗

金城武が悪い奴を殺しまくって汚い金を巻き上げている。そこへ空から女の子が落ちてきて、ぱたぱた走っているところを間違って金城武に撃たれてしまう。で、鈴木杏扮するこの女の子は80年後の未来からやってきていて、そこでは地球はエイリアンの侵略を受けていて、わずかに生き残った人類はチベットの高山に立てこもって抵抗をしているのだという。残された希望はたった一つ、戦術時間旅行装置で戦士を過去へ送り込み、最初に飛来したエイリアンを処分するのだ。そういう理由で送り込まれてきたその戦士が鈴木杏だったのである。
プロットは 「ターミネーター」「E.T.」 から借用して、アクションは 「マトリックス」とその他いろいろ、 設定には「不夜城」からも目ぼしいところを引っ張ってきて、そうしたものをほとんど考えなしに混ぜ込んでお湯をかけて5分待ったら食えたものではなくなっていた、というのがこの映画なのではあるまいか。山崎貴監督の前作 「ジュブナイル」 では文字通りジュブナイルなプロットと香取慎吾の天然ボケがそのまま映画の天然ボケとなり、凡庸さがある種の魅力を生み出していたが、こちらは単にボケているだけなので同じ凡庸さは果てしない退屈を生み出している(アクション・シーンはまじで眠いからね)。偽装宇宙船やエイリアンの造形などはよかったし、チベットの場面は視覚的にも優れていたので、そうした方向から何かまともな解決を見出すことはできなかったのか。素材に対する愛情が見えないし、だから素材を大事にしていない。つまり真似事ばかりの粗悪なアクションはもういらないので、オリジナルのアイデアを暖めてもらいたいと考えるのである。