ジュブナイル
- Aloysius' Rating: 4/10
ジュブナイル (ジュブナイルプロジェクト 2000,105min.)
[D] 山崎貴, [W] 山崎貴,
[C] 香取慎吾,酒井美紀,鈴木,遠藤雄弥,清水京太郎,YUKI,高橋克実,麻木久仁子
夏休み。子供たちが森でキャンプをしていると、光とともに出現した丸くてちっこいロボットと遭遇する。で、このちっこいのを家へ連れ帰ると自分で自分を改造し始めるので、子供たちは毎日集まってその様子を観察するのである。そうしている間に地球にはエイリアンの巨大な宇宙船が接近し、悪巧みに取り掛かる。そして悪巧みの実行に先立って邪魔者を取り除こうと考え、邪魔者というのはもちろん未来のテクノロジーで作られたちっこくて丸いロボットのことであったが、その所在にあたりをつけて子供たちが住んでいる町にスパイを潜入させてくる。人間に化けたスパイはテレビを見ていろいろと学習するが、物慣れない様子のせいで町の悪い噂となったりもする。同じ頃、子供たちは町に住んでいる天才科学者の香取慎吾と友達になり、改造を終えたロボットはさらに多くの部品を求めて姿を消す。エイリアンのスパイが科学者を襲って少女を誘拐し、地球には最大の危機が訪れた時、子供たちの前にはちっこいロボットが巨大ロボットを連れて出現し、少年は巨大ロボットに乗り込んでエイリアンの宇宙船と戦うのである。撮影は丁寧だし、音声もまともだし、子供たちもよく演技をしている。タイトルにいつわりのない少年向けSFという感じで、その方向性は無条件で評価できる。明朗な物語にしようという努力が感じられるし、淡いところもほろ苦いところも感動的なところもきちんと盛り込まれている。ただ、プロットについて言えば、なぜその時、という肝心の部分が破綻していて、そのせいで見ていて少々居心地の悪い思いをした。時間の要素を持ち込んだために複雑になった部分をストーリーがフォローしきれていないのである(もちろん、あれがしたかったのだとしても)。子供たちの相対的な位置関係も説明が中途半端で、そのせいで余計な会話が混入し、リズムが崩れている場所がいくらかあった。とはいえ、おおむねにおいて好感が持てる作品である。