2000.07.01 sat.

梅雨寒は嘘のように消滅して、冗談抜きの夏になった。そのせいだろうか、頭が朦朧としてきたので家でおとなしくディズニー映画 「ターザン」 を見る。


2000.07.02 sun.

東映製フルCG映画 「アリス」と ハリソン・フォード主演 「ランダム・ハーツ」 を続けて見る。見終わった後、自分が精神的に下降し始めていると感じたが、これはたぶん気候のせいではなく見たばかりの映画のせいだ。夕方、実家へ行ってゴンゾ(実家の猫)の肖像画を受け取る。持ち帰って早速壁にかけた。

追記:下降していた上に、まだ朦朧としていたのだ。テリー・ギリアムの 「ラスベガスをやっつけろ」 も見たことを忘れていた。


2000.07.03 mon.

午後に入ってから雷雨。雨と雨の間に外へ出たら、北東の方角で空から地上へ太い稲妻が一閃するのが見えた。ちょっとしたものだ。
夜、大蟻食と一緒に山尾悠子さんの出版記念パーティへ。小松左京氏が祝辞を述べ、小谷真理氏が乾杯の音頭を取る。会場の隅に展示してあった山尾さんの本にふと目を落としたら、途端にその場に釘付けになった。実を言うと山尾悠子さんの文章を見るのはほとんど20年ぶりになる。大学一年の頃にちょっと挑戦して、その時はこれは自分の体質に合わないという判断をしていた。当時のわたしはノベルズ系最優先で、セシル・スコット・フォレスターが神だったのだ(今でもかなり神である)。ところが今回、改めて拝見するとこれがすごい文章なのである。それがわかるようになった、ということはわたしがいくらか進歩したということなのだろうか。たまたま開いてあったページの冒頭の数行を読んで、本当にしびれた。ストイックでリズミカルで、抜群にかっこいい。こちら側からあちら側へと自在に視点を動かしていくテクニックがすごい。作者が巧みに物語るその手つきが目に見えるのだ。これは快感である。今になって気がつくとは、随分と後手にまわったものだ。ちなみに大蟻食は高校生の頃から山尾悠子さんのファンで、大学一年の時、わたしと大蟻食が出会って最初に交わした会話も次のようなものであった。
わたし:何読んでるの?
大蟻食:山尾悠子
というわけで今回初めてご本人に会って握手までしていただいて、大蟻食はたいそう感動していた。パーティの後、二次会へ。B級映画の話で野阿梓氏の顰蹙を買い、ひかわ玲子氏に敗退した。リターン・マッチを切望する。


2000.07.07 fri. - 2000.07.09

7日の朝、新宿サクラヤのホビー館に立ち寄って「ファイナル・ファンタジーIX」を購入。コンビニ予約のおかげなのか店頭の混雑はまったくない。帰宅後、早速始めて8日もおおむね一日続けて、その結果、9日には少々疲れてきたがそれでもかなりの時間を費やした。で、9日の最終時点でDISC1終了、ジタンのレベルは18である。アビリティの使い方も少しわかってきた。
人物構成がちゃちで視覚的にも寂しくてサブイベントがろくにない上にフィールドはどれも狭くて話本体はとてつもなく寒くて演出が恥ずかしかったXIIIに比べると、IXは格段によろしいと思う。もちろん物語部分についてはまだ何もわからないという状態で、これは保留せざるを得ない。しかし人物構成はカラフルだし、視覚的にも豊かだし、サブイベントも豊富で遊べる部分がけっこうあるし、フィールドもワールドマップも随分と広い。新機能アクティブ・タイム・イベントもうまく使われていると思うし、キャラクターの年齢や視点にばらつきをもたせてあるのでそれなりにポリフォニックですらある。バトルへの移行やフィールド間の移動は相変わらず時間がかかるけど、全然違うリソースをその度にロードしているわけだから仕方あるまい。ということで楽しませていただいております


2000.07.11 tue.

ワインの試飲会ということで会社の高橋さんとその友達二人、大蟻食と広尾へ。CLUB DU VINとBANVIOの共催で、ラングドック産のワインとオーガニックワインを試すことができた。ラングドックの発泡酒はたいそう喉越しがよかった。しかしふだんメルローなどを飲んでいる軟弱者としては赤は少々タンニンが強い。なかなかにいけるとは思ったが、置いておくよりも若飲みに徹して飲んでしまった方がよさそうだ。オーガニックはやはりちょっと痩せた感じであろうか。試飲会の後、無名狼という名の居酒屋だか和食屋へ。店内には水槽があって立派なアロワナが泳いでいた。ずいぶんと変わった雰囲気の店でメニューも変わっていたが、味も居心地も悪くない。


2000.07.15 sat.

「ファイナル・ファンタジーIX」DISC2終了。
成城大学ミステリークラブ創立25周年の宴会がある、ということで大蟻食と新宿へ。本当の25周年はたぶん来年だと思う。正体は宴会発起人の再就職祝いだったようだが、現役からOBまで20人以上が集まって成城のミステリークラブとしては盛況であった。当然のことながら現役の一年生とこちらとの間には20歳以上の開きがあって、こちらが一年生をやっていた時にはどうかするとあちらはまだ生まれてもいなかったということになる。いやはや。ちょっと年齢を感じた。最近は何を読んでいるのかと若者に尋ねたら島田荘司という返答であった。実は20年前も島田荘司だったのである。ぐるっと回って元に戻ってきてしまったのであろうか。


2000.07.16 sun.

なんだか一気に夏になってしまったが、わたしは家にこもって「ファイナル・ファンタジーIX」を続けている。根性でフィールドをぐるぐる回っているので展開の方はほとんどない。ジタンは現在レベル50。ダガーは集中力を失ってコマンド失敗を繰り返している。夕方、大蟻食と一緒に近所の喫茶店へ。かき氷を食べようと思ったのだが売り切れですと言われて泣いて出る。この気候だから、考えることはみんな一緒だ。仕方がないので地元の「休憩所」へ。アルコール類が中心なので分類すればバーになるのだと思うけれど、坂道の途中にあるところも雰囲気が気さくで気楽なところも休憩所と呼ぶのにふさわしい。カウンターに座ってサングリアを注文し、そこで目の前に妙な物がぶら下がっていることに気がついた。「オリエンタル・カレー」のほぼ昔のままのパッケージである。バーの背後のメニューボードにパッケージがぶら下げてあって、その上には「超レア」という文字が紙に手書きで記されている。店の人に聞いたところ、あの「オリエンタル・カレー」がレトルトになって蘇ったので、それをあの「伝説のスプーン」で食べられるようにしましたという。激しい誘惑に駆られたが、ご飯前なので断念した。またチャンスがあるに違いない。


2000.07.20 thu.- 2000.07.23 sun.

金曜日に休みを入れて四連休にして、それで何をやっていたのかというと「ファイナル・ファンタジーIX」なのである。予定ではどこかで「ミッション・インポッシブル2」を見に行く筈だったのだが、暑いという理由でこれは先へ送ることにして、結果を言えばほとんど外出しなかった。テレビの前に腰を下ろして朝から晩までコントローラーのボタンを押し続けていたわけで、よくよく不健康な生活であったと思う。ゲームに費やした時間の大半はキャラクターのレベルアップのために使われた。フィールドをぐるぐる走り回って戦闘を繰り返していると次第に淡々とした気持ちになってきて、これを二時間も続けているとほとんど無我の境地に入り込む。アルファ波が出ていたのではないかと思えるくらいで、もしかしたら精神衛生にはよいのではないかという気もしたが、やはり不健康なことには違いあるまい。
というわけで約75時間かけて「ファイナル・ファンタジーIX」終了。よくできたゲームだと思う。ラストのムービーはCGの技術だけで見ても感涙ものである(VIIIに比べても格段によく動いている)。話の方もよくできたジュブナイルという感じで、けっこう感動的だったりする。あれでモノローグの部分をもう少し抑制すれば、もっとスマートになったのではないかとも思えるのだが、趣味の問題なのかもしれない。終わったのが日曜日の早朝、その後で寝て、起きてから最後のセーブポイントを呼び出してまたレベルアップを開始した。最終ボス戦がけっこうしんどかったので、メンバーを変更してレベルアップしてからやりなおしてみようと思ったからである。で、物理攻撃系でまとめてスタイナー用にエクスカリバーを手に入れてきてジタンのレベルを88から99に上げてみた。そこまでで日曜日が終わってしまったので、再挑戦はまだしていない。
ところでゲームの合間にいちおうサミット中継なるものを見ていたけれど、森首相というのはまるで機転の利かない人物らしい。集団登校の班長を無理強いされた小学生のようであった。小渕さんが生きていたらもう少し実のあるサミットになったのではないかと思うのはわたしだけだろうか?


2000.07.24 mon.

さて、まだ「ファイナル・ファンタジーIX」なのである。パーティを物理攻撃系でまとめて全員をレベル90以上にしてから最終ボス戦に再挑戦してみた。そうしたらたいそう楽なのであった。あのへそ出し変態男(クジャとかいったっけ?)も5,6回打撃を加えたら「うっ」とか言って消えてくれた。「永遠の闇」にはちょっとてこずったが、それでもかなりの時間を短縮できた。しかし、事実上の「虚無」が自分に回復魔法を使っている光景というのは何度見てもけったいなものである。


2000.07.25 tue.

で、はっと気がつくと「ファイナル・ファンタジーIX」にかまけていたので当然のことながら「映画のこと」がまるで更新されていない。これではいけないのではないかと、ちょっとだけ思ったので、取り敢えずジョン・ランディスの作品を追加した。で、さらに夕方、帰宅の途中でTSUTAYAに寄って、夏だから海関係ということで 「深海からの物体X」「ディープ・ブルー」 を借りて帰る。


2000.07.26 wed.

ちょっと余計なことを考えて篠田正浩監督 「梟の城」を見る。 余計なことを考えるべきではなかったのだ。


2000.07.28 fri.

念のために見ておこうと考えて例の韓国映画 「シュリ」を見る。いまひとつテクニカルになり切れないのはなぜだろうか?


2000.07.29 sat.- 2000.07.30 sun.

返品しておいた大蟻食がまたしても返送されてきた。家の中が一瞬にして騒々しくなったが、同時に大蟻食の勝手きわまる「一人で見てはだめ」な映画が解禁になった。というわけで 「親指タイタニック」「親指ウォーズ」も、 「GO! GO! ガジェット」「エンド・オブ・デイズ」 もようやく見ることができた。ずっと我慢していたのだ。


2000.07.31 mon.

夜。大蟻食と待ち合わせをして渋谷で 「ミッション・インポッシブル2」を見る。


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