バトル・オブ・リガ
- Aloysius' Rating: 5/10
2007年 ラトビア 119分
監督:アイガース・グラウバ
出演:ジャニス・レイニス、エリータ・クラヴィーナ、ギルツ・クルーミンス、ロムアルズ・アンカンス


1919年、独立を間近に控えたラトビアにはいまだにドイツ軍が駐留を続けており、指揮官ゴルツ将軍は本国への帰還を拒んでロシア軍のベルトラン大佐を雇い入れ、この大佐の指揮下にドイツ・ロシア統一軍を編成してソ連邦への干渉軍を組織すると軍をリガに進めるが、ラトビアが統一軍のリガ通過を拒絶するため、統一軍はダウガヴァ川に迫ってリガを攻撃、リガでは市民による義勇軍が組織され、統一軍に抵抗する。主人公の愛国者マルティンとは何者なのか(どう見ても労働者階級なのに大統領にもためぐちをきく)、統一軍や義勇軍はどれくらいの規模だったのか、双方の距離や位置関係はどうなっていたのか、まったく説明がないので首をひねることが多かったが、映画としてはおおむね水準に達しているし、なによりも扱っている状況がきわめて珍しく、しかも意外なまでにカラフルで、野犬化したドイツ軍がこういうところでこういうことをやっていた、というのはこれで初めて知ったような次第である。戦闘シーンに格別の冴えは見えないものの、ドイツ軍は装甲車、航空機を繰り出して絵に描いたような暴虐を働き、対抗するラトビア側は橋を爆破し、リガの市内に本格的な塹壕を作る。クライマックスの突撃では下手な正規軍よりもはるかに統率の取れたラトビアの義勇軍が勇敢に戦い、ドイツ軍の背後を狙って送り込まれた少人数は下手な特殊部隊よりも効率的に敵を倒す。同じような時期の似たような状況を扱った映画にエストニアの 『バルト大攻防戦』 があるが、それよりもこちらのほうが面白い。

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