情愛と友情
- Aloysius' Rating: 3/10
2008年 イギリス 133分
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:マシュー・グード、ベン・ウィショー、ヘイリー・アトウェル、エマ・トンプソン、マイケル・ガンボン
オックスフォードに入学したチャールズ・ライダーはそこでセバスチャン・フライトと出会い、セバスチャンに連れられてブライズヘッドを訪れてその威容に驚嘆し、大酒を飲んで過ごすうちにセバスチャンとの友情はさらにその先へと進み、チャールズ・ライダーの視野には間もなくセバスチャンの妹ジュリアが入り、セバスチャンもまたジュリアとチャールズ・ライダーとの関係に気づき、セバスチャンはいよいよ酒におぼれ、ジュリアはカナダ人レックス・モットラムとの婚約が決まり、傷ついたセバスチャンがモロッコに消えるので、チャールズ・ライダーはセバスチャンの母親マーチメイン侯爵夫人の依頼でモロッコを訪れてセバスチャンに帰国を促し、セバスチャンは帰国を拒み、やがてチャールズ・ライダーは画家となって成功し、ジュリアと再会して関係を深め、ジュリアの婚姻関係を清算しようと考えてブライズヘッドを訪れ、そこでジュリアの兄ブライディから不倫の関係を非難され、ジュリアとともにロンドンへ戻ろうとしているところへマーチメイン侯爵がベネチアから戻って死の床に就く。冒頭、オックスフォードの学生たちが現代のセールスマンのようなアクセントでしゃべっているのでいまひとつ、よくわからなかったのだが、どうやらイヴリン・ウォー『ブライズヘッド再び』の映画化のようなのである(クレジットには図々しくそう書いてある)。なにしろ「再訪」しなければならないので軍服を着てブライズヘッドに立ったチャールズ・ライダーの回想という形式は踏襲されているが、できもしないのにそういうことをしたせいで時間の経過の整理が悪い。無理矢理に三角関係の話に仕立てているせいでチャールズ・ライダーの性格がぼやけているし、なぜだか知らないがいちいちカトリックに牙を剥く(無神論者というのはとにかく無礼で、見境なしに折伏したがるものなのである)。登場人物は魅力に乏しく、台詞は安っぽい上に説明的で面白みを欠き、演出は平板で退屈でポイントを欠き(
『キンキーブーツ』
を見たときにも、なんだか変だと思ったよ)、しかも若者が青春を謳歌していることを示すために、あははあはは、と笑いながらたわむれる描写を入れたがる。
『パフューム』
でグルヌイユを演じたベン・ウィショーがセバスチャンを演じているが、これが英国貴族にまったく見えない。エマ・トンプソン、マイケル・ガンボンもここではひどく凡庸に見えた。原作と映画が違っていても、これが違う、あれが違うと文句を言う習慣はあまりないのだが、それにしても、なぜ映画にしようと思ったのか?
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