パフューム　ある人殺しの物語
- Aloysius' Rating: 　7/10
2006年　ドイツ・フランス・スペイン　147分
監督：トム・ティクヴァ
出演：ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード＝ウッド

パトリック・ジュスキントの小説『香水』の映画化。18世紀前半のフランスを舞台に特殊な嗅覚を備えた男ジャン＝バティスト・グルヌイユが調香師となり、芳香の保存にこだわった結果、道を誤る。
内容はおおむね原作のとおりに進行するが、においのない映画の世界でいかにしてにおいを表現するかについてはいささか苦慮している模様で、それならばいっそのことジョン・ハートのナレーションにそのままだっこしてもらって言葉で説明してしまったほうが話が早かったかもしれない。ある種の力作ではあるものの、生理的な描写のくどさとナレーションのバランスの悪さが気になった。きわめて特徴のある原作の映画化としては、取り組み方に創意が乏しいような気がした。ただ、それはそれとして、冒頭に登場するパリの魚市場の暴力的な風景をはじめ、18世紀的な情景描写はいずれも楽しいし、異様な風貌で主役を演じたベン・ウィショー、イタリア人調香師に扮したダスティン・ホフマンは見ごたえがある。
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