騎馬大王アッティラ 平原の支配者
- Aloysius' Rating: 6/10
2001年 アメリカ/リトアニア 180分 TV
監督:ディック・ローリイ
出演:ジェラード・バトラー、パワーズ・ブース、シモーネ・マッキノン、スティーブン・バーコフ、レグ・ロジャース、ティム・カリー、リアム・カニンガム


アメリカ、リトアニア合作のTVミニシリーズ。父を失ったアッティラは兄ブレダとともにルア王のもとで成長し、ローマ帝国への侵攻を唱えるアッティラはローマから派遣されたアエティウスと出会ってローマ軍とともにゴートと戦い、ローマに迎えられて皇女ホノリアと出会い、ルア王の死の知らせを受けてフン族の地に戻り、対立していた兄ブレダを倒してフン族の王となり、拡張主義を掲げて周辺地域をことごとく制圧して大王を名乗り、ホノリアの求婚を口実に西ローマ帝国に圧力を加え、ガリアでアエティウスの軍勢と衝突し、冬を前にガリアから退き、そこで毒殺されるまで。史実を適当に斟酌して20年くらいはあったはずのタイムスパンも感覚的に数年に縮め、加えてアッティラにかなりの美化が入っているが、ローマ側も含めてキャラクター、人物関係などは小説的によく整理され、正直な語り口も悪くない。加えて出演者も全般によい仕事をしており、特にパワーズ・ブースのアエティウスは本人の地味めのキャリアのなかでも出色の出来ではあるまいか(ティム・カリーのテオドシウスもよかったが)。全編リトアニア・ロケで、馬の数はそれなりに多いが、戦闘シーンには予算面での制約が目立つ。ただ、美術などにはかなりの頑張りが見え、フン族の蛮族ぶりにしても西ローマ帝国の退廃ぶりにしても、雰囲気がよく出ている。力作であろう。1954年の 『アッチラ』 よりもよほどに立派な仕上がりである。

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