スティング
- Aloysius' Rating: 7/10
1973年 アメリカ 129分
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショー、アイリーン・ブレナン、レイ・ウォルストン、チャールズ・ダーニング
シカゴのペテン師のジョニー・フッカーは仲間のルーサーと組んで路上でチンピラを引っ掛けるが、それで手に入れた金がノミ屋の上がりで、しかもそのノミ屋が大物ギャング、ドイル・ロネガンにつながっていた。ルーサーはロネガンが差し向けた殺し屋に殺され、復讐を誓ったフッカーは大物ペテン師のヘンリー・ゴンドーフを訪れて協力を依頼する。そこでゴンドーフは計画を仕込み、仲間を集め、まずロネガンをポーカーで罠にはめ、さらに大金で釣って場外馬券売り場に導いていく。
全体を明快な章立てにし、シーンのつなぎにアイリスを使い、復古調で作り上げるという手法の先駆的作品であろう。ポール・ニューマンは重量感があるし、ロバート・レッドフォードもそこそこに見れるし(ただし、このひとは老けてからのほうが断然いい)、シカゴのペテン師社会の異様な厚みも楽しいし、そういう道具立てでにやにや笑いながらひとをカモる、というのも楽しいものの、なぜか重たい。お金をかけて非常にていねいに作られた作品だが、こちらが生理的に要求するリズムよりも常にワンテンポ遅れているような気配があり、そのずれが常に後へ後へと尾を引いていく。多くの場面が空間的な広がりを欠いていることも重たさを加えているような気がする。実は公開当時、中学生で、とにかく面白いという評判を聞いて見物に行ったが、少々首をひねって帰ってきたということがあって、まわりがしきりと面白がっているのになぜ自分だけがと不思議に感じていたのだが、結局そのあたりの印象は改めて見ても変わらなかったのである。どうも曖昧模糊とした反応になってしまうが、結局は好みではない、ということになり、では何が好みかということになると、ペテン師映画の場合は
『テキサスの五人の仲間』
ということになるみたい。
IMDb で
を検索します。
* Search provided by
The Internet Movie Database
.