アリゾナ・ドリーム
- Aloysius' Rating: 6/10
1993年 アメリカ・フランス 140分
監督:エミール・クストリッツァ
出演:ジョニー・デップ、ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイ、リリ・テイラー、ヴィンセント・ギャロ
ニューヨークの水産局で魚の数を数えているアクセルのところへ友人ポールが現われ、いやがるアクセルを故郷のアリゾナへさらっていく。そこではアクセルの叔父レオが娘ほどの年のポーランド娘との結婚を控え、アクセルに付添人となることを要求し、自分のキャデラック販売店で働くことを要求し、アクセルは両者を受け入れてアリゾナに残り、キャデラック販売店にやってきた母親ほどの年齢の女性エレインと恋に落ちる。そのエレインと義理の娘グレースとは奇怪な愛憎関係にあり、アクセルは二人の家に住み込んでエレインの夢を果たすために自力で飛行機を作り始める。
アメリカの夢の終わりと少年期の終わりを描く、というテーマが初めから散文的な形で用意されていたような痕跡があり、それはそれで一応の形にはなっていて、ジョニー・デップ扮するアクセルが一皮むけて大人になる過程が描かれたことになっているが、
『ジプシーのとき』
と同様、クストリッツァの手つきはここでも妙に不器用で、作中にしっかりとしたパースを得られていない。魚が飛んだり、救急車が飛んだり、といった部分も含めて、考えの足りない夾雑物が多すぎるのであろう(加えて、わたしの好みからすると安易にひとが死にすぎる)。それでもひとかどの作品に見えるのはジョニー・デップがもともと備えている一種の不明性が青臭さを排除していたからであり、ほかの出演者もまた魅力的だったからである。ジェリー・ルイスはただもう嬉しかったし、1シーンだけのマイケル・J・ポラードの出演も嬉しかった。小娘同然の年増女を演じたフェイ・ダナウェイはたいへんな説得力で、リリ・テイラーはクールだし(くわえタバコにアコーディオンだ!)、ヴィンセント・ギャロの「役者」ぶりも面白い。
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