ジプシーのとき
- Aloysius' Rating: 5/10
1988年 イギリス・イタリア・ユーゴスラビア 126分
監督:エミール・クストリッツァ
出演:モノレ・デバルトリ、ミキ・マノイロヴィチ、ミリャナ・カラノヴィチ、ムスタファ・ナダレヴィチ
ジプシーのペルハンは魔力を持つおばあちゃん、脚の悪い妹、ろくでなしの叔父さんと一緒に小さなジプシー村で暮らしていたが、村の大物アメードに強いられてイタリアで悪事を働くことになる。
まずジプシーたちの生活描写が面白いし、イタリアのジプシーの背後関係なども面白いが、話が背景を離れて主人公ペルハンの苦悩と復讐に移っていくと、なぜかこれがあまり面白くないのである。一応はビルディングス・ロマンの形式を取っているが、ペルハンの心象はプロットが与えた状況に応じて適当に変化しているようにしか見えない。約五年というタイムスパンもほとんど意味を備えていない。思うにクストリッツァは若者の発展性を扱うのが苦手なのではないだろうか。
『黒猫・白猫』
のあの主人公の非発展性は、この作品の反省に基づいているのではないだろうか。そんなような気がしてならない。また幻想的な場面が数多く登場するものの、数をこなしているだけで、多くは作品に無用の難点を添えている。おそらくはジプシー文化の多様なインプットが整理されずに採用された結果であろう。
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