ティアーズ・オブ・サン
- Aloysius' Rating: 5/10
2003年 アメリカ 118分
監督:アントワーン・フークア
出演:ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ、トム・スケリット


誰も知らないあいだにナイジェリアで内戦が起こっていて、誰も知らないあいだに政権を握っていたイボ族の大統領が殺害されて合衆国大使は脱出し、情勢が危険になったということでアメリカ海軍の特殊部隊がアメリカ人救出のためにナイジェリア国内に送り込まれる。そのアメリカ人というのはアメリカ人と結婚したイタリア人の女医で、伝道施設の病院で働いている。女医は単独で脱出することを拒み、そこで救出部隊を率いるウォーターズ隊長は歩ける患者だけを救出地点まで同行させることに同意する。ところが救出地点に現われたのはシーホーク2機だけで、とても全員は乗り込めない。隊長は女医だけを乗り込ませて脱出しようと試みるが、突如として自ら任務を変更し、ヘリコプターを老人とこどものために譲ってしまう。そして隊長以下特殊部隊のメンバー数人と女医、さらに30人ほどの難民が峠を越えてカメルーンへの脱出を試みる。そうするとナイジェリア軍が執拗に追いかけてきて、なぜ執拗に追いかけてくるのか、というところにいちおうは説明があったりする。
ブルース・ウィリス扮する鉄面皮な隊長が自然と聞こえてきた良心の声にしたがって素朴に善行をほどこしていくというプロセスは悪くないし、部下の面々もいろいろと頑張ってはいたが、 『トレーニング・デイ』 同様、アントワーン・フークアの演出は収まりが悪い、というか整理が悪い。場面のつなぎがひどくむら気に感じられるのである。背を向けたばかりのひとが次のカットではこっちを向いていたりするので、見ていてちょっと居心地が悪い。ハワイ・ロケのアフリカはよくできていたと思うが、後方支援が空母の甲板にぽつんと突っ立っているトム・スケリット一人だけ、というのはあんまりであろう。

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