トレーニング デイ
- Aloysius' Rating: 6/10
2001年 アメリカ 122分
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、スコット・グレン


ロスアンゼルス市警のジェイク・ホイト巡査には結婚して一年になる妻と生まれて9カ月になる娘がいる。そして交通警官として一年の経験を積んでいたが、向上心から刑事になることを考え、麻薬捜査課に転属になったことを喜んでいる。転属した初日の朝、ホイトは新たなに上司となったアロンゾ刑事の車に乗り込み、映画のタイトルどおりに麻薬捜査課の捜査員としての訓練を受けることになる。交通警官の世界とはすべてが違っていた。麻薬取り引きの現場を押さえても小物の客は恫喝するだけで逮捕しない。アロンゾはホイトに押収品のマリファナを吸うことを強要し、ホイトは麻薬捜査課に残りたいがためにパイプを受け取る。売人の家を訪れて酒を酌み交わし、別の売人は叩きのめして名前を言わせ、礼状もないのに関係者の家に押し入って家宅捜索を強行する。真面目なホイトはアロンゾが悪の道に染まっていると感づくが、老獪なアロンゾは自分が悪の道に染まるのは悪を退治するためだと抗弁し、手練手管を弄してホイトをからめ捕っていく。
前半と淡々とした腐敗警官ぶりはなかなかに楽しめるものの、後半に入って具体的な状況が現われて、そこに正義の話が加わってくると単細胞ぶりが露見する。どこかで想像力が欠落していて、結果として凡庸な代物を作りだしているのである。余計なストーリーは入れないで、淡々としたまま終わらせたほうがよかったのではあるまいか。差し当たりの見ごたえはあったと思う。デンゼル・ワシントンは無敵の腐敗警官を楽しそうに演じている。対するイーサン・ホークの新米警官ぶりも悪くない。ほかにスコット・グレン、トム・ベレンジャー、ハリス・ユーリンと渋い役者がちょろちょろと顔を出していて、映画の格を嵩上げするのに貢献している。

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