シカゴ
- Aloysius' Rating: 7/10
Chicago (USA/Canada 2002,113min.) [D] Rob Marshall, [W] Bill Condon , (play:Maurine Dallas Watkins), (musical:Bob Fosse,Fred Ebb), [C] Renee Zellweger ,Catherine Zeta-Jones ,Richard Gere,Queen Latifah ,John C. Reilly ,Lucy Liu,Taye Diggs,Colm Feore,Christine Baranski,Dominic West

1920年代のシカゴ。踊り子ヴェルマ・ケリーが夫と妹を射殺したその晩、うだつの上がらないもう一人の踊り子ロキシー・ハートはクラブのスターになる日を夢見ていた。ところが浮気相手の男が口にしていたマネージャーへのコネはまったくの嘘で、男は女としたかっただけ。一ヶ月も経ってから事実を知ったロキシー・ハートは未来を見失ってこのセールスマンを射殺する。ロキシー・ハートはハリソン検事補に絞首台を約束されるが、ぶちこまれた先の刑務所で女看守長のママからやり手弁護士ビリー・フリンの名を聞くと、亭主にない金をはたかせて必死の思いで雇い入れる。ビリー・フリンは勝訴のためなら手段を選ばないロクデナシの守銭奴であったが、仕事はいちおうちゃんとやる。収まらないのは先にビリー・フリンを雇っていながら公判日程でロキシー・ハートに先を越されたヴェルマ・ケリーなのであった。それまでは自分の事件が新聞をにぎわせていたものが、ロキシー・ハートの事件が起こってからは次第に隅の方へと追いやられ、玩具店にロキシーちゃん人形が出回る頃には紙面の上にわずか7語というところまで落ちぶれていた。だがそこへ新たな殺人が起こり、夫と夫の情婦二人のあわせて三人をいっぺんに射殺した富豪令嬢が逮捕されるとビリー・フリンもそちらの方に傾いていって、今度はロキシー・ハートの公判日程が怪しくなる。で、というような殺伐とした展開で、有名になりたい女たちのサクセス・ストーリーなのである。
面白い映画だけど、どちらかと言うともともとのミュージカルがよく出来ていたのではないだろうか。映画の功績はそれを慎重にスクリーンに移し変えたことと、出演者を魅力的に動かすことに成功していることであろう。キャサリン・ゼタ=ジョーンズはどちらかと言うと苦手な女優だが、今までに見た中では最高に素晴らしかったと思う。歌も踊りも迫力があった。レニー・ゼルウィガーは相変わらず重そうな感じだが、それでもあのしょもない 「ブリジット・ジョーンズの日記」 よりはだいぶよかった。リチャード・ギアは少々歳を取り過ぎではないか、という気がしたが、踊りもタップも立派であった。いや、それにしても亭主って女房に嫌われてるんだねえ。