パニック・ルーム
- Aloysius' Rating: 6/10
Panic Room (USA 2002,112min.)
[D] David Fincher,
[W] David Koepp,
[C] Jodie Foster ,Kristen Stewart,Forest Whitaker,Dwight Yoakam,Jared Leto ,Patrick Bauchau ,Ann Magnuson ,Ian Buchanan ,Andrew Kevin Walker ,Paul Schulze ,Mel Rodriguez
離婚したばかりの女性が娘とともにマンハッタンの一戸建てに移り住む。別れ話の腹いせに前の亭主に買わせたのである。前の住人は最近故人となっていたが、金融業界の大物で遺産の半分が見つかっていない。どこかに隠してあるらしい。ということでジョディ・フォスターとその娘が引っ越してくると、もうその晩に三人組が押し入ってくるのである。仕切り役は完全な素人で、昨日までは空家だった筈だ、などと言って困っている。金庫破りはフォレスト・ウィティカーなので、だから悪役だけど善玉である。三人目はお約束の凶悪犯で、だから最初から銃を振り回している。賊の侵入を知ったジョディ・フォスターと娘はパニック・ルームに逃げ込んでドアを閉め、悪党どもは閉じてしまったドアの前で苦悩する。例の大物の遺産はパニック・ルームに隠されていたからである。そこから先は開けろ開けないの攻防戦になり、フォレスト・ウィティカーが配管伝いにガス攻めをすると、ジョディ・フォスターは火を放って反撃する。ジョディ・フォスターが壁をえぐって電話の配線をつなぎにかかると、フォレスト・ウィティカーは地下に走って本線をちぎる。三人組の残る二人は見物しているか、トラブルを引き起こしているだけである。自分たちの間抜けさにうんざりしたのであろう、仕切り役が撤収を決めると悪党どもは仲間割れを始め、そうこうするうちに別れた亭主が現われ、警官が現われ、ジョディ・フォスターは低血糖に苦しむ娘のために死力を尽くして戦うのである。デビッド・フィンチャーの演出に破綻はないので安心して見ていられるが、
「ファイト・クラブ」
のような冴えはない。そこから先は趣味の問題であろう。わたしはこうした種類のスリラー、つまり状況をおもちゃにするために登場人物に馬鹿を割り振るという話を面白いと思ったことがないのである(ちなみにヒッチコックは嫌いな監督の方に数えている)。