ニューヨーク1997
- Aloysius' Rating: 7/10
Escape from New York (UK/USA 1981,99min.) [D] John Carpenter, [W] John Carpenter,Nick Castle, [C] Kurt Russell,Lee Van Cleef,Ernest Borgnine, Donald Pleasence,Isaac Hayes,Season Hubley,Harry Dean Stanton ,Adrienne Barbeau ,Tom Atkins

近未来のアメリカ。マンハッタンは全島が刑務所になっていて、放し飼いにされた凶悪犯が跋扈している。その上空を通りかかった大統領専用機がテロリストの爆弾のせいで墜落し、大統領は脱出ポッドに乗り込んで不時着する。生きているらしい。そこで当局は大統領救出のために特殊部隊出身の終身犯スネークを送り込む。救出に与えられた時間は24時間。スネークの頚動脈にはカプセルが埋め込まれ、24時間が経過すると死をもたらす仕組みになっていた。出かけていった先のマンハッタンのワンダーランドぶりが素晴らしい。たぶん、ジョン・カーペンターの最高傑作だと思う。サンディエゴかどこかの都市再開発地域をマンハッタンに見立てて、蛍光塗料を塗ったマスキングテープをCGのワイヤーフレームに見立てて、頭を使ってがんばって撮っているのである。カート・ラッセル扮するスネークのキャラクターは実にしっかりと立っているし(だからそのまま「メタルギア・ソリッド」に継承されることになるし、実を言えば公開の翌年、わたしも8ミリ映画で真似ている)、サウンドスプレッサー装着のM11というアクション・アイテムも強い伝播力を備えていた(すぐに柴田昌弘が真似ていたし、実を言えば公開の翌年、わたしも8ミリ映画で真似ている)。刑務所長のリー・ヴァン・クリーフは言うまでもなくかっこいいし、アクション・ファインダー付きのレポルバーを握ったマリアム・ダボーもかっこいいし、白いコートをなびかせながら吹っ飛ばされるハリー・ディーン・スタントンもかっこよかった。公開初日に当時の日比谷映画へ見に行って(見終わった後、銀座を半分駆け抜けてテアトル東京で 「ハウリング」 を見た。まだ若かったから)、もちろんサントラも買ったのである。 続編 も悪くはないけれど、やっぱりこっちの方が好き。

で、あともうひとつ。どうでもいいことだけど、ドナルド・プレザンス扮する大統領がはしたなくもサブマシンガンを撃ちまくるという場面があって、排出された薬莢が美しい放物線を描いて一列に飛んでいくのを見て感心した記憶がある。同じ記憶では撃っていた銃はS&W M76だったと思うのだけど、これはたしかペキンパーの 「ガルシアの首」 でも実に印象的に薬莢をばらまいていたような気がするのである。最近の映画ではとんと見かけなくなった銃だけど(もともと警察用なのでMP5に取って替わられたか?)、思えば絵になる形をしていた(だからわたしも自分の8ミリ映画に登場させた)。