ガルシアの首
- Aloysius' Rating: 6/10
Bring Me the Head of Alfredo Garcia (Mexico/USA 1974, 112min.) [D] Sam Peckinpah, [W] Sam Peckinpah, [C] Warren Oates,Isela Vega,Robert Webber,Gig Young,Helmut Dantine,Emilio Fernandez,Kris Kristofferson ,Chano Urueta ,Jorge Russek

メキシコのどことも知れない土地に広大な地所を構える地主の娘が雇い人の種を宿し、事実を知った父親は山ほどいる取り巻きどもに向かってこう告げる、ガルシアの首を持ってこい、ということでこれがそのままタイトルなのである。するとガンマンが走り始め、カウボーイが馬に乗って走り始め、白っぽい埃にまみれた農場の門からは馬と並んでリムジンが現われ、続く場面ではジェット旅客機が飛び立っていく。この唐突なタイムスリップぶりを喜んでいると、話はメキシコシティーの場末の酒場でアメリカ人観光客を相手にピアノを弾いているウォーレン・オーツへと移り、そこへ怪しい二人連れが現われてガルシアの写真をちらつかせ、なにやら金になるらしいということになって血なまぐさい一件に飛び込んでいく。ガバメントとギターを抱えてオープンカーに乗り込み、横に世にも美しいイセラ・ヴェガを乗っけてガルシアの首を探しにメキシコの田舎道をどこまでも走っていくのである。良くも悪くもペキンパーの映画なので構造的には主役のウォーレン・オーツの駄目人間としての心理的曲折が主軸にあり、確立されない自我への反発がマシンガンの銃口にジャーナリスティックに転化されたりするところもあって、今見るともしかしたら頭が痛いかもしれない。とはいえ、場末たメキシコの雰囲気が抜群にいいし、ハイスピード・ショットによる暴力場面はもちろん冴え渡っているので、何度でも見る価値はあるのである。