パール・ハーバー
- Aloysius' Rating: 6/10
Pearl Harbor (USA 2001, 182min.)
Directed by Michael Bay
Written by Randall Wallace
Cast: Ben Affleck, Josh Hartnett, Kate Beckinsale,Alec Baldwin,Ewen Bremner,Jon Voight,Mako, Tom Sizemore
陸軍航空隊に所属する親友同士の2人のパイロットと海軍の看護婦が三角関係に陥っていると、日本軍が真珠湾を攻撃し、アメリカはお返しに東京を空襲する。政治的にあまり正しくないという指摘を受けている映画だが、それもその筈で映画の作り方そのものがほとんど半世紀近くも先祖返りしている。つまり50年代のハリウッド製戦争映画そのまんまになっていて、そういうつもりで見ていると、少なくともその範囲では十分に水準に達している。とにかく
「アルマゲドン」
よりもよっぽどましだったのである。なに、日本人の描き方が妙ちきりんでも気にすることはない。実際、昨今では珍しいくらい妙ちきりんなのだが、日本語を喋る隕石だと思って見ていればよいのである。作り手の側の意識もその程度のものでしかないし(CGだかミニチュアの連合艦隊はいちおうまともに見えるのに、アップになった瞬間に空母のアイランドが甲板の反対側に移動していたような気がする、いや、そもそもどうしてその甲板に山本五十六がいるのか?、しかもマコ扮するこの山本五十六は東野英二郎扮する南雲中将のパロディのように見えた)、史実を要求するならば
「トラ!トラ!トラ!」
という傑作がすでに存在する。で、肝心の戦闘シーンだが、これは好みの分かれるところかもしれない。たしかに迫力はあった。だがバリエーションが意外なほど乏しい。アメリカ側の航空機は事実上カーチスP40だけだし、太平洋艦隊が攻撃される場面はかなり単細胞な繰り返しである。また、スピード感を求めるあまり、雑然としたショットの積み重ねに見えてしまうような部分もあって、これはCGも善し悪しという感じであろうか。管制塔に激突する戦闘機といったような、ミニチュア・ワークの方に面白みがあった。アリゾナの沈没シーンは丁寧に撮られていたものの、全体からすれば大味ということになるだろう。とはいえ、デジタル処理された戦闘場面という意味では、先行する
「スリー・キングス」
に比べると格段の進歩の後が見える。というわけでこの先はどうなるのかな?