タイタニック
- Aloysius' Rating: 5/10
1943年 ドイツ 85分
監督:ヴェルナー・クリンガー、ヘルベルト・セルピン
出演:シビル・シュミッツ、ハンス・ニールセン、カーステン・ヘイブルク


ドイツ製。そろそろ敗色濃厚となってきた1943年に製作されている。敗北を間近に控えてから作られた超大作 『コルベルク』 に比べると大分ましなのではないかと思う。2年の差が重要なのであろう。
タイタニックの船上では英米支配階級が私利私欲に走り、英国人船員は無能ぞろい、惨劇回避のためにただ一人ドイツ人航海士がドイツ的なしゃちほこ張った正義を掲げて神出鬼没の大活躍をする。だがラスト、英国商務省の海事審問ではドイツ人航海士ペーターゼンの主張する正義は受け入れられない。そこでドイツ国民が「おのれ英国人め」と怒りに燃えて戦意を高揚させる仕組みになっているのであろう。史実無視しまくりとは言え節度は一応心得ているので、どこぞの 『タイタニック』 よりもよほどよろしいのである。
まず映画自体の目的がきわめて明確なので余計なことを一切しない。したがってテンポが速い。それでもタイタニック物としてすべきことはほとんど一式やっているし、衣装もゴージャス。人物の立ち姿は露骨にプロイセン風で、あまりイギリス人に見えないという難点はあるもののそれなりにかっこよかった。つまりちゃんとしたコスチューム・プレイになっているのだ。

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