ジャッカル
- Aloysius' Rating: 1/10
The Jackal (USA 1997, 124min.) Directed by Michael Caton-Jones Written by Chuck Pfarrer Cast: Bruce Willis, Richard Gere, Sidney Poitier, Mathilda May

1973年の 「ジャッカルの日」 のリメイクということになっている。
そういうことだから劇場まで足を運んだが、見終わってうちの奥さんの言った台詞が
「この25年の間に人類はずいぶん馬鹿になったんだねえ」
馬鹿になっただけではない。スケールダウンもしていたのである。歴史的な著名人ドゴールと名前のない(そして消耗品でもある)FBI長官とでは、そもそも標的として比較にならない(記憶違いでなければ 「今そこにある危機」 ではコロンビアの路地裏でさっさと殺されていた筈だ)。その程度の標的を「すごい」と言ってもったいぶるのはかなりの困難を感じるし、それこそ路上で鉄砲弾にでも殺らせれば済みそうな案件のためにわざわざ大金を払って殺し屋を雇うのも説得力がない。すでに設定からして無理があるので、時々思い出したように原作にあったような場面(ロシア・マフィアは身の安全のために「ヘルシンキ」の「ペンション」の最上階に隠れる、銃はヨットのマストに隠した)が登場すると、そのあまりの無意味にこちらは腹を抱えて笑うのである。しかもあの最後のプロ商売とはとうてい思えないような不器用な狙撃(と言えるのか?)はいったいなんだ? 馬鹿になって、スケールダウンして、その上、満足に標的も狙えないようではもう家へ帰って寝た方がよろしい。