ガメラ2 レギオン襲来
- Aloysius' Rating: 5/10
1996年 日本 100分
監督: 金子修介
脚本: 伊藤和典
出演: 水野美紀, 永島敏行, 石橋保, 吹越満, 藤谷文子, 螢雪次朗


前作以上に怪獣対自衛隊というモチーフが前面に出ている。怪獣の出現を想定した出動というシミュレーションという観点からのみ見れば、前半はそれなりに見ることができる。しかし仙台壊滅後はあまりいただけない(90式戦車が「町中」をごとごと走る楽しいショットがあるとしても)。いただけない理由は後半、事実上の主役となる自衛隊である。
首都圏防衛ライン設置後に登場するあの司令部はなんなのだろうか。師団長以下がずらりと並び、戦国時代の床几のような椅子に股を開いて座っていたあの場面である。「禁欲的な」という表現をどこかで見たことがあるが、普仏戦争でもあるまいし、今時の軍隊があんな悠長なデータリンクで行動できるのか、という感想を持った。この演出はどこからきたのだろうか。そもそも演出なのだろうか。陸上自衛隊の指示でああなっていたのだとすると、我が国の国防はかなり重要な問題を抱えていることになりはしないか。正面装備にハイテクを並べていても、頭の部分があの有様ではまともにどこかへ進めるとは到底思えないのである。後半、カメラが自衛隊の活躍を追い始めると、なにかこうした防衛庁側のコードのようなものが見え隠れして、それが映画を空々しくて、ひどくいびつな仕上がりにしている。ほんとうにこれでよかったのか?

<ガメラ>
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