カサンドラクロス
- Aloysius' Rating: 5/10
The Cassandra Crossing, (West Germany/Italy/UK 1976, 125min.)
Directed by George P. Cosmatos
Written by Robert Katz,George P. Cosmatos
Cast: Sophia Loren, Richard Harris, Martin Sheen, O.J. Simpson, Ingrid Thulin, Lee Strasberg, Ava Gardner, Burt Lancaster
いわゆるパニック映画ブームに乗ってイタリアの大プロデューサー、カルロ・ポンティが作った超大作。当時まだ無名だったマーチン・シーンがエヴァ・ガードナーのツバメ役で登場する。その次にマーチン・シーンを見るのは
「地獄の黙示録」
ということになるが、それ以降、急速に老けてきたのはなぜなのだろうか。
この映画、封切り当時は「パニック映画が心を持った」などという不思議なコピーを使っていて、まだ中学生だったわたしは安々と宣伝に乗ってえらく感動して帰ってきたものである。たしかになにやらヒューマンだったのは間違いないが、もしかしたらそれはリー・ストラスバーグ扮するユダヤ人行商人の自己犠牲の場面だけだったのかもしれない。ちなみにこの場面は後に東宝が「地震列島」で丸ごとパクっている。一緒に見ていた父は宣伝には決して動じることのない人物で、映画が終わった後こんなことを言っていた。
「あの列車だけどな、ディーゼルと電気のどっちなんだ?」
つまり父はこう言いたかったのである。列車を電気機関車で引っ張ってる時にどうして架線がなかったのか? 注意していなかったが、もしかしたら撮影の都合でそんな矛盾した場面があったのかもしれない。宣伝についてはもちろんだが、父は映画自体にも動じることのない人物で、
「2001年宇宙の旅」
ではこんなことを言っていた。
「つまり進化したと言いたいのだろう」