2002.5.1 wed.

大蟻食が目黒通り沿いの家具屋を探訪したいというので、自由が丘の駅前から自由通りを北上して目黒通りへ。そして中根の交差点をなぜか右折して、都立大の方向へてくてくてくてくと歩き始める。都立大を越えても環七を越えても家具屋などは出現しない。碑文谷のダイエーを越えてさらに進み、そのあたりに来てようやく見つけた骨董家具屋やアジア系家具屋を物色し、元競馬場を越え、目黒川を越え、とうとう目黒まで来てしまう。二時間近く歩いたのではないだろうか。目黒線に乗って帰宅する。


2002.5.2 thu.

大蟻食が目黒通り沿いの家具屋を探訪したいというので、自由が丘の駅前からメープル通り方面へもぐって北上し、八雲の交差点を今度は左折して等々力の方向へ歩き始める。こっちへ来ればちゃんと家具屋があるのである。この方面は久しぶりで、知らない間にUNIQLOが出現していた。また歩いて自由が丘へ戻り、途中で注文家具の店を見物して、モンブランでお茶をしてから帰宅する。夜は大蟻食と一緒にビデオで 「スパイキッズ」 を見る。あんまり馬鹿な映画なので、二人でひっくり返って笑っていました。とても好きです。


2002.5.3 fri.

大蟻食と一緒にお茶の水へ。SFセミナーである。「SF入門というジャンル」に遅刻し、「かめ、くらげ、たぬき、北野勇作」は最初から最後まで拝聴する。で、その後でちょっと悩んでから家へ戻り、ばたばたと準備を整えてから今度は渋谷へ。 「スパイダーマン」 を鑑賞する。傑作。ちなみに先行レイトショーの一回目で9割の入り。


2002.5.4 sat.

大蟻食と一緒にわたしの実家へ。弟も娘(半年)を連れてやってきて、この姪っ子が不意に泣き出した後(GONZOの接近に驚いたのか?)、まるで泣きやまなくなったので至急、弟の奥さんに来てもらう。母親はやはり偉大であった。弟一家が帰った後、大蟻食とわたしはわたしの両親と一緒に食事。実家の居間の蛍光灯を交換してから、パンを買って帰宅する


2002.5.9 thu.

大蟻食と一緒に家具を見に桜木町へ。ランドマークタワーの先にあるクィーンズ・スクエアという場所へ初めていってみる。この一帯は恵比寿のガーデンプレイスによく似ていると思う。家具屋を見た後、ピーナツ系のキャラクターショップへ(Snoopy Townといったか?)。気がついたらスヌーピーの皿を2枚抱えて、マグカップの棚の前でまじになって身を屈めていた。これだからキャラクターショップは恐ろしいのだ。フローズン・ヨーグルトを食べて帰宅。


2002.5.11 sat.

大蟻食は朝から学校へ。わたしは残って 「魔王」 を見る。もしかしたらシュレンドルフの映画を見るのは 「ブリキの太鼓」 以来かもしれない。これは今ひとつ。夜は大蟻食と一緒に「アリー・マイ・ラブ4」の10巻を見る。さっさと11巻も見て第4シーズンに片をつけないと。


2002.5.12 sun.

ちまたで評判のミヒャエル・ハネケ監督の処女作 「ファニーゲーム」 を見る。不快とか後味が悪いとかいうより、趣味が悪いだけ。


2002.5.13 mon.

夜、大蟻食と一緒にワインを飲みながら 「ムーラン・ルージュ」 を見る。ちょっとだるかったけど、悪くない。ただ、コラージュ形式ででっちあげられたパリの映像という点では、 「ヴィドック」 の方がよくできていたかもしれない。


2002.5.15 wed.

夜、大蟻食と一緒に神楽坂へ。沢村凛さんと一緒にソフラという名のトルコ料理店で食事をする。前菜を数品とスープを取って、後はケバブを中心に食べてみた。どれもおいしかったと思う(と言っても新宿三丁目のイスタンブールくらいしか比較の材料がないけれど)。味付けはしっかりしていて品がいい。特にラムの炭火焼は絶品で、いくらでも食べたいという感じであった。問題があるとすれば、この店ではどうやら毎晩ベリーダンスをやっていて、そのたびに各テーブルから一人ずつ客をフロアに出してダンサーと一緒に踊らせるというあたりであろうか。ほぼ間違いなく男が指名される。というわけで、たいそう小柄で美しいトルコ人のダンサーと一緒にわたしはベリーダンスを踊ったのである(もちろんまともに踊れるわけがないから、なんとなくじたばたしていただけだけど)。とにかく料理はおいしかったのでまた行きたいと考えている。ただしその場合には、別に犠牲者を用意しておく必要があるだろう。


2002.5.16 thu.

「アリー・マイ・ラブ4」の11巻を見て第4シーズンに片をつける。


2002.5.18 sat.

よんどころのない事情で大蟻食と一緒に朝から下北沢へ。夕方までそこにいて、それから二人でわたしの実家へ。伯父が来ていたのである。弟一家も合流して全員の注目が生まれてまだ半年弱の姪っ子に集まると、ゴンゾ(オス猫、9歳半、6.8Kg)がちょっと虐げられた気持ちになって自分の部屋(昔はわたしの部屋だった)の戸口で悲しそうに鳴いてみせる。だから背中をたくさんなでてやった。食事をして帰宅する。


2002.5.19 sun.

朝、大蟻食と一緒に新宿へ。そこからバスに乗り込んで府中の東京競馬場へ行く。競馬場では三歳牝馬を集めたオークスを開催中で、日本中央競馬会ではこれにちなんで懇親会を開いて女性を招待していたのである。大蟻食が呼ばれて、わたしは大蟻食の同伴者ということでネクタイを締めてくっついていった。JRAの人からいろいろと説明を聞いて、パドックを騎手側から見学させてもらって(地下馬道というところも歩かせてもらった)、高いところから競馬を見物し、せっかくだからということで生まれて初めて馬券というものを買ってみる。ところが11レースはとんでもない番狂わせで、わたしが買った券ははずれ(マニアックな事前情報に基づいて苦労して枠連なるものを買っていたのに)、オッズに基づいて単勝を堅実に買う大蟻食もはずして(でも10レースは当てていた)、最終結果を見たら万馬券が出現していた。なるほど、競馬というのは面白い。 (久美さん、どうもありがとう
帰り道に渋谷の東急フードショーへ寄って、そこでジャラリという名のトルコ料理店(赤坂にあるらしい)の出店でいろいろと買って帰宅する。なかなかにおいしかったと思うけど、レモン汁をかけるのはもうちょっと控えめにしてほしかった。


2002.5.20 mon.

ちまたではFINAL FANTASY XIが発売になっている模様だが、大蟻食もわたしもオンライン・ゲームにはあまり関心がない(それに現状では準備にお金と手間がかかり過ぎる)。というわけでしばらく前に「マーシャルビート」というフィットネス・アクション・ゲーム(専用コントローラ同梱)というのを買ってみたが(もちろん、ほしがったのはわたしではない)、ちょっとやってみたらそれ以来手首の様子がおかしいのである。手首がおかしくなるようなゲームは困るので、替わりに「サイレントスコープ2」というアーケード・ゲームのPS2対応版を買ってきて、今はそれをやっている。なんというのか、ふてくされたスナイパーになってテロリストの頭をぶち抜いていくというゲームである。昔はあたりまえだったアーケード・ゲームの感覚を取り戻すのに少々時間がかかったが、慣れてみるといかにもゲームらしくてよろしいという感じがする。反面、アーケード・ゲーム的な難易度の高さから最後までやりとおすのは難しそう(明らかにスナイパーの仕事ではないような乱戦任務が含まれている)。


2002.5.24 fri.

自由が丘駅南口は今日からマリークレール・フェスティバル。今までは土曜日曜だったのが、今回からは金曜から始まることになったらしい。例によってイベント・スペースの音量が大きかったけど、大蟻食と一緒に出かけていってせっせと飲み食いをする。イタリアの発泡酒は当たり、キッシュもおいしかった。夕方から激しい雷雨。夜はビデオで 「エボリューション」 を見る。わかってはいたけれど、それにしてもなぜこの話がこうなるのだ?


2002.5.25 sat.

大蟻食は朝から学校へ。わたしは美容院へ。髪をカットしてもらってから近所を少しふらふらする。自由が丘と緑ヶ丘の間にBOOK OFFができていることに気がついた。夜になって大蟻食が帰宅。妻家房で夕食をとり、家に戻ってからビデオで 「バンディッツ」 を見る。


2002.5.26 sun.

ゆっくりと起きて遅い朝食。ジャイルズ・フォーデン「スコットランドの黒い王様」(新潮クレスト・ブックス)を読み終える。イディ・アミンの侍医だったスコットランド人医師を語り手に据えた回想録風の小説である。取材によって構築されたアミンのプロファイルや、アフリカの医療現場に関する描写には魅力があったが、日常的な描写や内面への回帰では不可解なリリシズムに陥る傾向がある。読みとおすだけの価値はあったと思うけれど、少々忍耐を必要とした(実は訳があまりよろしくない)。自由が丘駅南口ではマリークレール・フェスティバルの三日目。オードブルの盛り合わせを立ち食いし、ワインを立ち飲みしてから買い物へ。夕方になって激しいにわか雨。雨上がりに冷たくて心地よい風が吹いてきた。夕食を食べながら久々に「リサーチ200X 2」を見て、コーエン兄弟の 「オー・ブラザー!」 を見て寝てしまう。


2002.5.30 thu.

午後から早川書房へ。豊崎由美さんからインタビューを受ける。話すのが下手なので豊崎さんに迷惑をかける。


2002.5.31 fri.

マイケル・ブレイク「天国への疾走」(文春文庫)を読み終える(「天国」という文字の横には「ヴァルハラ」とルビがふられている)。第七騎兵隊の全滅で名高いカスター将軍の伝記小説で、リトル・ビッグホーンに向けて進軍を続けるカスター将軍の日記の中に回想が埋め込まれているというちょっと凝った形式になっている。作者のマイケル・ブレイクは日記形式を採用することによって、カスター将軍というどちらかと言えば単純で粗野な人物に単純であるが故の陰影を与えるという複雑な処理に成功している。つまりそういう人物が自らの野心と不遇感、現実との不協和音に苛まれながら危険な道を進んでいく過程が、まさにその人物の内的独白として巧みに再現されているのである。悪凝りして時々リリカルに流れることを除けば小説として面白いし、アメリカ的英雄像のプロファイルとしても実に興味深い。
2002年FIFAワールドカップ開幕。というわけでせっかくだから開会式の中継を見ていたんだけど、式典をまるで写さずにアナウンサーの四角い顔を大写しにしてNHKはどういうつもりだったのだろうか(それとも放映権がらみの面倒な問題でもあったのか?)。理由はわからないけれど、こちらとしては太鼓の音をちゃんと聞きたかったのである。開幕早々から岡田元監督の負けの込んだ話を聞きたかったわけではない。


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