2000.08.01 tue.

夜。大蟻食と待ち合わせをして渋谷で 「パーフェクト・ストーム」を見る。 ヴォルフガング・ペーターゼンというくくりから、これは一人で見る映画であろうと考えていたが、なぜか今回は大蟻食がついてきた。大蟻食は大嵐が好きなのである。こちらが風速40メートルでもがんがん飛び回るシーホークの勇姿に感動している一方で、あちらでは頭の中を波と風で一杯にして嵐と一体になっていたようだ。嵐の出番が少なかった、というのが見終わった直後の大蟻食の感想である。


2000.08.04 fri.

食事の後、ワインを抜いて大蟻食と 「アンナと王様」を見る。 実はジョディー・フォスターのファンだったりするのだが、これはタイミングをはずして劇場で見ることができなかったのである。見終わって、ちょっと不満が残ったので引き続き、今度は一人で 「ディープ・コア2000」を見る。 期待していたわけではなかったけどね。というわけでかえって募ってしまった不満を抱えてそのまま寝る。


2000.08.05 sat.

暑いけど、夏らしい暑さである。上空の雲の流れが速い。夕方、高野史緒さんがやってきたので一緒にベトナム料理を食べる。深夜になってから、これはちょっと期待していた 「シックス・センス」を見る。 期待していた内容とはだいぶ違っていたが、なんと傑作なのであった。


2000.08.06 sun.

夕方になってからわたしの実家へ。延々と続いていた外壁工事が終わりに近づき、足場が取り払われたからなのか、ゴンゾ(猫、オス、7歳半)はだいぶ落ち着いていた。弟の奥さんの実家(尾鷲である)から送られてきたカマスやタチウオを食べる。イカの刺し身はほんとうにうまかった。そもそもイカ、タコの類いが苦手なわたしがそう感じたのである。やはり物が違うのであろう。


2000.08.11 fri.

前からそうだった、と言ってしまえばそれきりなのだが「亭主の日々」はほとんど映画鑑賞日記となりつつある。というわけで夜、大蟻食と一緒にテレビの前に腰をおろし、ガスパッチョとスペイン風オムレツを食べながら(最近このパターンが多い) ジョン・キューサック主演の西部劇 「ジャック・ブル」を見る。 これが意外な拾い物で、続いてこちらは一人で鑑賞した 「13F」も 拾い物であったので、ちょっと幸せな気分になる。


2000.08.12 sat.

台風が近づいている、ということであまり天気がよろしくない。ビデオを返した後、大蟻食と一緒に二子玉川の高島屋へ。化粧品を買い、甥っ子用に働く自動車の図鑑を買う。甥が本を読む年齢になってから児童書売り場で図鑑を見るようになったが、中にはマニアックに編集された本もあって、これなら自分でほしいと思うこともある。働く自動車の図鑑はわたしがほしかったのである。珍しい写真や図解がいっぱい載っていて、しかも相手は子供だからといったような手抜きがない。わたしが子供の頃にはこんなものなかった。


2000.08.13 sun.

雨模様である。湿度が高い。実は月曜日(8/7)にプレイステーション版「トゥーム・レイダーIV」を購入していて、以来、少なからぬ時間をこれに費やしている。頭のおかしいイギリス女が欲望全開で墓荒らしをするアクション・ゲームである。よくできたゲームだと思う。ただ個人的にはIIまでのジャンプの組み合わせを主とするアクションの方が好きで、現在のように這い回ったりポールを登ったり、ロープを掴んで裂け目を飛び越えたり、といったアクションは必要以上に複雑化しているように思えて好きではない。白状すると、ちょっと苦手だ。ただ、我が家ではとにかく評判の悪かったIIIに比べると、ステージ構成もアイテムの配分もバランスはいいように思える。後はセーブのルールを毎回変えるのをなんとかしてほしいところだろうか。


2000.08.19 sat.

ここ数日、朝夕が過ごしやすい。こうした夏は東京では珍しいと思うのだが、これもなにかの異常気象なのであろうか。やっと見つけた佐々木倫子の「HEAVEN?」を読み(面白い)、窓から顔を出したら冷たい風が吹いていて心地よいのでちょっと散歩に出る。商店街の玩具屋でバケツを一つ購入した。中には 「トイ・ストーリー」 に登場するプラスチック製の兵隊が24体入っている。家に帰って開けてみて、ちょっとがっかりした。24体分のバリエーションがあるのではなく、いくつかのバリエーションがランダムに放り込んであるだけだった。わたしのバケツにはなぜだか分隊火器ばかり6体も入っていた。バランスよく揃えたければもっと買えということであろう。
夜、ビデオで 「クンドゥン」「シビル・アクション」 を見る。


2000.08.20 sun.

日中、寝台に転がって「東京アンダーワールド」などを読んでいたら、大蟻食が帰ってきた。この一週間、お盆で実家に戻っていたのだ。家の中が一瞬で騒々しくなる。食事しがてらに散歩に出て、ついでにプレイステーション用ゲーム「マエストロ・ムジーク」を購入する。オーケストラを指揮するゲームである。前にも「ル・コンチェルト」なる似たようなゲームを買っているが、「マエストロ・ムジーク」は普通のコントローラーだけではなく専用の指揮棒型コントローラーでも操作できるようになっていて、それがちゃんと同梱されている。昨年、「ル・コンチェルト」を購入した時にはなんとなく予感がしたのだが、案の定というかなんというか、悪魔のようなゲーム業界はやっぱり指揮棒型コントローラーを開発してしまうわけである。持ち帰って、早速大蟻食が指揮棒を振りまわし始めた。わたしもちょっとやってみたが、これはけっこう難しい。やはりわたしは「トゥーム・レイダー」の方がよろしい。とはいえこちらも四つか五つのステージをうろうろしなければならない状態になっていて、頭の中が大混乱しているが。


2000.08.21 mon.

たしか6月のことだと思うのだが、近所に新しくシナボンの店ができた。店の前にはいつも順番待ちの人が列を作っていて、日曜日の日中などはけっこうな有様になるのであった。とにかく流行っているのである。好奇心をそそられながらも列の末尾につく体力のないこちらは「どうせまずいに違いない」などと呟きながら脇を通り抜けていた。ところが今日、その列がない。というわけで夕飯の買い物に赴く途中であった大蟻食とわたしはシナボンの店に引かれるようにしてふらふらと入り込み、ついに二つ手に入れて家へ帰ったのである(もちろん買い物を済ませてから)。で、食後にお茶を入れてデザート代わりに食べたわけだが、糖蜜とシナモンの塊のようなものであった。いや、なかなかに壮絶な代物でした。エスプレッソのダブルが必要だ。メニューにはこれにピーカンを乗っけたものもあるようだが、そんな物、いったい誰が食べるんだ? というわけでとにかく好奇心は満たされたのであった。


2000.08.22 tue.

ここ数日、朝夕が過ごしやすい、などと書いたせいで天気になめられたのかもしれない。なんだかものすごく蒸し暑いぞ。
夜、大蟻食と待ち合わせをして 「サウスパーク」 を見る。東急本店前のビルの6階にあるシネ・アミューズという小さな劇場であった。予想はしていたが、見終わって出てくると大蟻食がサントラを欲しがる。たしかにこの映画の音楽はすごかった。食事をしてから帰宅して、寝台に転がってロバート・ホワイティング「東京アンダーワールド(角川書店)」を読み終える。終戦直後に進駐軍としてやってきたイタリア系アメリカ人が闇市にもぐり込んで荒稼ぎをし、六本木の帝王と呼ばれるようになってからバブル期に没落するまでの半生を扱うノンフィクションである。一種の戦後史であり、政界を中心に著名人が実名でぞろぞろ登場する。知らない世界の話で、その範囲では興味深い内容ではあったが、構成についてはほとんど未整理のままという印象が強い。作品を読んでいる、というよりも雑談を延々と聞かされているような感じであった。もう少し整理して、歴史的な視点をもう少しはっきりさせた方がよい仕上がりとなったのではあるまいか。


2000.08.25 fri.

大蟻食と一緒にビデオで 「クルーエル・インテンション」 を見る。いやはや。続いてひとりで 「スクリーマーズ」 を見る。劇場公開当時に見ているのだが、なんとなくもう一度見たくなったのである。やっぱり低予算なのであった。


2000.08.26 sat. - 2000.08.31 thu.

ずるずると遅い夏休みへもぐり込む。
土曜日には大蟻食と一緒に渋谷へ。まず 「TAXi2」 を見て、それからLoftへ。靴のクリームを買うためであったが、たまたま迷い込んだ携帯ストラップの売り場で「サウスパーク」関連商品を見つけて衝動買いをする。小学生の四人組がかわいい小さな人形になっていて、大蟻食は早速自分の携帯にケニーをぶら下げた。わたしの方は週末から月曜までかけて「トゥーム・レイダーIV」を終わらせた。あのわけのわからん結末はなんだ? ということでIIIよりはいいけれどIやIIほどよくはない。それから同時発売の攻略本はやっぱり役に立たなかった。攻略の順序がわからないことが多すぎるし、マップは平面的すぎて肝心の空間が認識できない。これに比べると「トゥーム・レイダーII」の「Lara's file」はたいへんな労作であったことがわかる。結局、インターネットで公開されている英文のWALK THROUGHに助けてもらった。テキスト中心だが手順は手取り足取りだし、しかもPlaystaion版のバグ情報まで記載されているので、きわめて強力である。
さて、夏休みではあったがどこへもいかずにほとんどの時間を家で過ごした。近所のビデオ屋へ行ってもめぼしいタイトルはいつも誰かが借りているし、とにかく蒸し暑いのでどこかへ行こうとも思わない。元来が出不精なのである。というわけで大蟻食と二人で窓辺に腰をおろしてぬいぐるみの汚れを落とし始める。白っぽい連中がけっこう汚れていたのだ。以前は人間用のシャンプーを水で薄めて歯ブラシで擦るという方式でやっていたが、大蟻食がローマのぬいぐるみ屋で絨毯クリーナーを使っているのを目撃してからは、我が家でも絨毯クリーナーを使っている。これは新しいアクリル素材のぬいぐるみには効果的で、新品同様にふかふかになる。しかもクリーナーに付いているブラシの表面積が大きいので、歯ブラシ時代よりも一匹あたりに要する時間が短縮されるという利点もある。問題があるとすれば、こちらの手が少々荒れることと、洗ってからしばらくの間、ぬいぐるみがどうしても粉っぽくなることであろう(掃除機に吸われたがるぬいぐるみはいない)。
予定ではこの期間に「アリー・マイ・ラブ」の2を見てしまう筈であったが、これはとうとう借りることができなかった。代わりに 「娼婦ベロニカ」を見たり、 「聖なる嘘つき」を見たり、 「ミステリー・メン」を見たり、 「13ウォリアーズ」を見たり、 「ワイルド・スモーカーズ」 を見たり、NHKの教育で 「天国への階段」を見たり していた。


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