God of War ゴッド・オブ・ウォー/SCE America/PS2/2005 |
古代ギリシアとおぼしき世界で戦士クレイトスを動かし、軍神アレスとその軍団と戦うアクション・ゲーム。スパルタ人クレイトスがスパルタ軍の若き指揮官として数千の軍勢を率いていたとき(数千という数はスパルタ単独では無理なので、察するにコリントスをはじめとするペロポネソス諸邦も加わっていたのであろう)、蛮族(どこの蛮族?)と交戦した折に命が危うくなり、永らえるために自分の命をアレスに捧げ、以来、アレスの名のもとに悪行の限りを尽くしてきたが(実際、スパルタの指揮官はしばしばそういうことになるけれど、そうなった場合にはスパルタの評判低下を恐れた本国に呼び戻される)、誤って自分の妻子まで殺したことから罪悪感に苛まれ、いまはアレスと敵対し、アレスの攻撃を受けているアテナイを救うために砂漠を越え(どこの砂漠?)、クロノスの背中にくくりつけた迷宮を訪れてパンドラの箱を探し出し、探し出しはするもののアレスに殺されて冥界に落ち、その冥界から這い上がってきてアレスと対決する、というようなストーリーがついていて、雰囲気は暗く、流血が目立つ。 基本はフルポリゴンのステージを一本道で進んでいく。美術は全体に美しい。行く先々でとにかくモンスターがうじゃうじゃと湧いて出るのでコンボ技のたぐいが求められることになり、結果としてボタン連打をしなければならないのが少しつらい。戦闘の雰囲気や、オーブを集めて武器や魔法のレベルアップをするあたりなどは『Devil May Cry』によく似ている。敵を倒すだけではなくて、細い足場を渡ったり、箱をあっちからこっちへ動かしたり、落ちる床を飛び越えたり、回転する橋(刃付き)を渡ったり、回転する柱(刃付き)を登ったり、あるいはロープからロープへ飛び移ったり、といったアクションもあり、このあたりは『トゥームレイダー』によく似ている。しかし視点が固定されており、これから飛びつく先の足場が見えない、というようなことがあって往生した。ボス戦を含めて敵との戦闘でクレイトスが死ぬことは滅多にないが、ジャンプ距離が足りなくて死ぬ、足を滑らせて死ぬ、ということはけっこうあった。ただ復帰ポイントが細かく設定されているのでストレスはあまり感じない。戦闘ではCSアタックというシステムが採用されていて、敵に一定のダメージを与えると特殊攻撃が可能になり、そのコマンドが画面に表示され、表示されたタイミングでボタンを押したり、スティックをがちゃがちゃ動かすと、画面ではクレイトスがミノタウロスの口に剣を突っ込んでとどめを刺したり、セイレーンの頭を掴んで床にがんがん叩きつけたりする仕組みになっている。『龍が如く』の「極」モードと同じ発想だが、キー入力がもう少し複雑で、連打する場合も半端ではない速さが求められる。わたしはEASYでクリア。所要時間は10時間ほど。よく工夫され、バランスの取れたゲームだとは思うけれど、この陰気な感じは好きではない。 |
2007/04/26 |