大いなる勝利のために メキシコ革命1926
- Aloysius' Rating: 5/10
2012年 メキシコ 122分
監督:ディーン・ライト
出演:アンディ・ガルシア、エヴァ・ロンゴリア、ピーター・オトゥール、マウリシオ・クーリ、カタリーナ・サンディノ
1926年、メキシコの大統領で無神論者のプルタルコ・エリアス・カリェスは1917年の反教会的な憲法をさらに強化したカリェス法を制定して聖職者の追放、教会財産の没収などを始め、野党の「信仰の自由を守る国民同盟」(LNDLR)はこれに署名運動などで穏健に抵抗するが、署名運動の効果がないのを知って不買運動を始めるとこれがどうやらメキシコの経済を圧迫することになり、反発したカリェス政権は教会への弾圧を強めて聖職者や信徒を殺害、LNDLRは武力闘争に切り替えて退役した将軍エンリケ・ゴロスティエータを指揮官に招き、ゴロスティエータはカトリックの武装集団数千を指揮して政府軍に打撃を与え、どうしてもボリシェビキのように見える大統領がアメリカの石油利権を損なっていることに気がついたアメリカ政府は1927年、ドワイト・モローを大使としてメキシコに送り、モローはカリェスに友好的な態度を求めてメキシコとローマの橋渡しを務め、1929年、メキシコ政府とカトリック教会のあいだで和解が成立する、という、いわゆるクリステロ戦争の最初から最後まで。 ゴロスティエータがアンディ・ガルシア、高齢の司祭がピーター・オトゥール、モロー大使がブルース・グリーンウッドとけっこう豪華なキャストで、人物を配置しながらただエピソードをつないでいるだけのかなり愚直な作りではあるものの、素材の希少性があって興味深い内容に仕上がっている。戦闘シーンは全体に小規模ではあるものの、列車襲撃、待ち伏せ、包囲戦など、それなりのバリエーションがある。ただ、クリステロの兵士がほぼ百発百中なのに対して政府軍の兵士はもっぱら撃たれて倒れるだけ、という役回りで、メキシコ政府軍(というか、たぶん正確には兵士の制服を着ている労働者)の損耗率の異常な高さはメキシコ革命を扱った映画全般に共通する傾向だけど、実際のところがどうだったのかは少々気になるところではある。
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