月尾島[ウォルミド]
- Aloysius' Rating: 3/10
1980年 北朝鮮 1982分
監督:チョ・ギョンスク
出演:チェ・チャンス、チョ・ギョンス
1950年9月、国連軍の仁川上陸作戦が始まり、仁川の入り口に位置する月尾島に配置されていた北朝鮮海軍の陸戦隊一個中隊は味方の戦術的撤退を援護するために圧倒的に不利な状況で三日間にわたって勇猛に戦い、全滅する、という合間に兵士たちが祖国=将軍様に思いをはせたり、歌を歌ったり、夜襲をかけてきた米軍を瞬時に返り討ちにしたり、捕虜を尋問したり、兵士たちの戦いぶりを見た米軍捕虜が心を入れ替えてマッカーサーを呪ったりする。史実では要塞化された陣地に海岸砲を設置していたはずだが、映画では予算の関係か露天の陣地に対戦車砲くらいの大砲が四門配置されているだけで、実際には四百人くらいはいたはずの兵士も二十人くらいしか登場しない。映画としては技術的な難点が目立ち、駆逐艦、シャーマン戦車などのミニチュアも水準が低い。戦闘シーンはおおむねにおいて迫力を欠き、爆発の軽さは東映の戦隊シリーズを思わせるが、小さな大砲で徹甲弾を打ち込むとアメリカ海軍の駆逐艦が次々と爆発炎上する描写はなかなかに笑えた。当然ながらプロパガンダ的な会話が執拗なまでに繰り返されるが、1.5倍速で見ている分にはそれほど気にならない。