長い灰色の線
- Aloysius' Rating: 7/10
1955年 アメリカ 131分
監督:ジョン・フォード
タイロン・パワー、モーリン・オハラ、ウォード・ボンド、ハリー・ケリーjr.、ロバート・フランシス、ピーター・グレイヴス
20世紀初頭、アイルランドから着いたばかりのマーティ・マーはそこかどこかもわからないままウエストポイントの給仕に雇われ、皿ばかり割るのでまったく給料が支払われないという事態に閉口して陸軍に志願、そのままウエストポイントで雑用をしていると右のパンチがいいというような理由で闘技主任のケーラー大尉の助手になり、そのケーラー大尉の家で料理人をしているアイルランド娘メアリー・オドネルに一目ぼれをして懸命に接近を試みるが、なぜかメアリー・オドネルはマーティー・マーの前で口を固く閉ざしたままで、メアリー・オドネルが同じくウエストポイントのハインツ伍長と親しくしていることに気がついたマーティ・マーはメアリー・オドネルが邪悪なケーラー大尉の陰謀によってハインツ伍長に結び付けられようとしていると察知してメアリー・オドネルにこの陰謀の存在を告げて自分にはメアリー・オドネルを救い出す用意があると告白するとメアリー・オドネルは即座に承諾の意を示し、メアリー・オドネルのあまりにもすみやかな反応にマーティ・マーが驚いているあいだにふたりは婚約関係にあることになり、しかもメアリー・オドネルは既婚者用の官舎に空きがあることもすでに確かめていて、そればかりか邪悪なケーラー大尉がすでにふたりのために申し込みを済ませていることもあきらかになり、晴れて夫婦となったマーティ・マーとメアリ・オドネルはアイルランドからマーティ・マーの父親と弟を呼び寄せ、弟はニューヨークに出て民間の世界で成功を収め、マーティ・マーもまた軍務を離れることを考えるが、メアリの出産、第一次大戦の勃発と重なってそのままウエストポイントに残り、送り出した若い士官の戦死名簿の長さを見て再び軍務から離れることを考えるが、戦争未亡人となった教え子の妻や残された子供のためにウエストポイントに残り、第二次大戦を迎え、終戦後、アイゼンハワー大統領の前でウエストポイントにおける自分の人生を回顧する。 タイロン・パワーがおよそ50年にわたるタイムスパンを熱演している。メアリー・オドネルがモーリン・オハラ、ケーラー大尉(のち大佐)がウォード・ボンド、ハインツ伍長がピーター・グレイヴス。第一次大戦前後におもに焦点があてられ、20年代から30年代前半は飛ばして、第二次大戦は個人的な悲劇の背景に退いている。コミカルな場面をふんだんに織り込みながら決して冗長に流れない演出が非常に心地よい。情感に満ちた作品である。
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