メキシコ 地獄の抗争
- Aloysius' Rating: 6/10
2010年 メキシコ 149分
監督:ルイス・エストラーダ
出演:ダミアン・アルカザール、ホアキン・コシオ、エルネスト・ゴメス・クルス、マリア・ロヨ、エリザベーテ・セルヴァンテス
メキシコ北部、サンミゲルの町の出のベンヤミン・ガルシアは母親と幼い弟を残してアメリカへ出稼ぎに出て、それから故郷に一通の便りも送らず、一ドルの仕送りも送らないまま20年がたって、強制送還でメキシコに戻って母が暮らす家に帰ってみると弟は撃たれて死んだと告げられ、サンミゲルの町でなじみの顔にたずねてまわると弟がなにやら悪行をおこなっていたことがわかり、弟の妻を探し当てると自分と同じ名前の14歳の息子がいることがわかり、義妹と甥を助けるためにまっとうに働くことを誓って親戚筋のタイヤ修理工場に仕事を得ると、そこへ幼馴染が現われていまは麻薬の商売をしていると告げ、組織に誘われて一度は断るものの、どうやらおのれが乏しくて下半身にも締りのないこのベンヤミン・ガルシアは義妹に懸想して関係を持ち、金を求めて誘いに乗って幼馴染とともに地域で麻薬の小売や取り立てのたぐいをするようになり、恐ろしい場面も目撃しながらだんだん仕事になじんでくる。 貧しいけれど善良なふつうのメキシコ人がなしくずしに犯罪に染まっていく様子が前半で、中盤以降は組織間の抗争が激しくなって、そこに欲や私怨のたぐいが加わってかなり陰惨に死体が製造されていく。やや文体に難があるものの、犯罪組織のボスから末端まで、キャラクターはきっちりと描き込まれているし、時間を無駄に使っていない。背景にあるのは脱出不能な貧困だが、それよりも血の濃さに驚かされる。
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