ザ・ウォーター・ウォー
- Aloysius' Rating: 7/10
2010年 スペイン/メキシコ/フランス 103分
監督:イシアル・ボジャイン
出演:ルイス・トサル、ガエル・ガルシア・ベルナル、フアン・カルロス・アドゥビリ
スペインの撮影クルーがコロンブスのアメリカ発見とそれに続くスペインの侵略と搾取を史実にもとづいてポストコロニアルな視点から映画にしようと南米を訪れ、予算の関係で人件費が安いボリビアをロケ地に選んで先住民顔をしたエキストラを日給2ドルで雇い、エキストラの中から先住民の首長アトウェイ役も見つけて撮影に入ったところ、現地コチャバンバでは多国籍企業が水利権の独占を始めていて三倍に跳ね上がった水道料金に地元住民は怒りを感じて運動を起こし、その騒動を眺めているとアトウェイ役のダニエルが先頭に立って旗を振っている、ということに気がついてプロデューサーは危機感を覚え、ダニエルを運動から遠ざけるために説得しながらなおも撮影を続けていくと、スペイン人の搾取に怒って叛乱を起こす先住民の姿が多国籍企業の独占に怒って暴動を起こす市民の姿にかぶさって、エキストラがパトカーをひっくり返す騒ぎになる。 歴史的に入り組んだ視点が非常に面白くて、これはある意味スペイン人にしか撮れない映画であろう。プロデューサーのコスタを演じたルイス・サトルほか出演者はみな味があり、コチャバンバに再現された暴動の光景は迫力がある。視点の配分に微妙なバランスの悪さを感じたが、しかしこれは力作であろう。
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