ドノバン珊瑚礁
- Aloysius' Rating:  6/10
1963年 アメリカ 109分
監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン、リー・マーヴィン、エリザベス・アレン、ジャック・ウォーデン、ドロシー・ラムーア


どうやら戦前は日本の信託統治領で、太平洋戦争中は戦闘があって、戦後はフランス領になっているハレアカロハという島があって、その島の住民でアイルランド系のアメリカ人のマイケル・ドノバンともう一人のアメリカ人トマス・アロイシアス・ギルフーリーは本人たちにもよくわからない理由で出くわすたびに派手に喧嘩をして島の住民の喝采を浴びていたが、島で医師をしているウィリアム・デダムのところへボストンから娘のアメリア・デダムがやってくるという知らせが入り、戦争と戦後のずるずるとした状況のせいで父親を一度も見たことのない娘がわざわざ島までやってくるのは遺産相続の問題があるからであり、島の女と結婚して子供を三人もこしらえているデダム医師の様子を見ればボストンの司法は相続権を剥奪するであろうと勝手に予測したデダム医師の周辺はデダム医師がほかの島へ往診へ出かけたあとでアメリア・デダムを迎え、デダム医師の子供たちはマイケル・ドノバンの子供ということにしてなにやら状況を取り繕おうと試み、アメリア・ドノバンの資産総額を調べた島の総督アンドレイ・ド・ラーグ侯爵はよこしまな心を抱いてアメリア・デダムに接近し、例によって、ということになるが、初めは互いに敵意を抱いていたマイケル・ドノバンとアメリア・デダムは次第に互いに引き寄せられ、ともに時間を過ごしているうちにアメリア・デダムは子供たちと親密になり、大戦中の経緯も浮かび上がる。 原題の"Donovan's Reef"は劇中でマイケル・ドノバンが経営している酒場の名前で、酒場の二階が住居になっていて、これがほぼ完全に日本家屋で畳が敷いてあって、ふすまがある。マイケル・ドノバンがいつものジョン・ウェイン、ギルフーリーがリー・マーヴィン、デダム医師がジャック・ウォーデン、総督がシーザー・ロメロ。アメリア・デダム役のエリザベス・アレンは水着版のモーリン・オハラといったところか。劇中の台詞にちらっと見えるように37年の 『ハリケーン』 に接続されていて、だからなのかドロシー・ラムーアが登場するが、無理矢理若作りをした役なのでこれはちょっと痛々しい。構成はやや散漫だが情感豊かなコメディで、魅力的な場面がたくさんあるし、子供たちはみなかわいいし、アメリア・デダムが自分の妹や弟の存在に気がつくあたりの寡黙な描写にはほろっとする。そしてリー・マーヴィンがなんだか抜群にいい。

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