バベットの晩餐会
- Aloysius' Rating:  8/10
1987年 デンマーク 102分
監督:ガブリエル・アクセル
出演:ステファーヌ・オードラン、ビルギッテ・フェダースピール、ボディル・キュア


19世紀のユトランドに静寂と孤独を誇る村があって、その村の牧師の娘マチネとフィリパは父親が亡くなったあとも村人に慈善をほどこしながらつつましく暮らしていたが、1871年、察するにパリコミューン後の白色テロを逃れて一人のフランス人女性が村に現われ、かつてフィリパに声楽の手ほどきをして『ドン・ジョバンニ』のせいでフィリパから遠ざけられたフラン人の高名な歌手から預かった手紙をマチネとフィリパの姉妹に差し出して家政婦として働くことを申し出るので姉妹はバベットと名乗るこの女性を善意から雇い入れ、それから十数年を経て老いた姉妹はいよいよ老い、姉妹を囲む人びとも老いて短気になっていさかいを好むようになったころ、姉妹は父親の生誕百年を祝う集まりを提案し、バベットは姉妹のために晩餐の一切を取り仕切るが、ユトランドの地で食べるものと言えばパンのビール煮と干したヒラメのほかになにも知らない人びとはバベットがそろえた食材を見て激しく恐れおののいてバベットが計画しているのは魔女の晩餐にほかならないと確信して仮に食べたとしても決して味わったりはなしと心に決めて晩餐に挑む。 丹念に再現された時代色と淡々としてはいるが忍耐強い演出が素材とよくかみ合って味わい深い作品に仕上がっている。料理の場面もけっこうな見ごたえで、メニューも実に興味深い。

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