エリート・スクワッド　ブラジル特殊部隊BOPE
- Aloysius' Rating: 　6/10
2010年　ブラジル　115分
監督：ジョゼ・パヂーリャ
出演：ヴァグネル・モーラ、アンドレ・ハミロ、イランヂール・サントス、ペドロ・ヴァン＝エウド

リオデジャネイロ軍警のナシメント中佐は特殊部隊BOPEを指揮してバングー第一刑務所で発生した麻薬密売人の暴動の鎮圧にあたったが、密売人の人権に関心を抱く左翼系インテリ、フラガはBOPEが密売人を射殺したことでナシメント中佐を殺人者として非難し、リオデジャネイロ市民がナシメント中佐を支持する一方、国際世論はフラガを支持するので、州知事はナシメント中佐をBOPEからはずして公安局の次官に栄転させ、ナシメント中佐は公安局からBOPEを指揮してファヴェーラ（スラム）の麻薬組織の掃討にあたり、BOPEの攻撃によって麻薬組織が衰退すると腐敗した警官は麻薬組織の上がりを受け取ることができなくなり、かわりにミリシアを組織してファヴェーラに入るとプロパンガスやケーブルテレビなどに勝手に課税して利益を出し、さらに選挙のシーズンになると政治家の手先となってBOPEをファヴェーラに送り込み、欺瞞に気づいたBOPEの将校を葬り、ミリシアの活動に気づいた記者を葬り、とにかく派手に暗躍するので、ミリシアの暗躍と政治家との関係に気づいたナシメント中佐は州議会議員となったフラガに証拠を渡し、公聴会で証言をする。
驚くばかりの無法ぶりだが、驚いたことにおおむね事実ということになるらしい。映画はナシメント中佐のモノローグで中心に進行し、説明的なショットが状況を補完していく。四年という比較的長いタイムスパンを扱いながら、適当にまとめ撮りされたような気配もあり、表現に少々ぶれが見える。必ずしも上手に作られた映画ではないが、状況の異様さとテンポの速さで欠陥はあまり気にならない。
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