ミケランジェロの暗号
- Aloysius' Rating: 5/10
2010年 オーストリア/ルクセンブルグ 106分
監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー
出演:モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス、マルト・ケラー、ウーヴェ・ボーム、ウド・ザメル
1938年、オーストリアがドイツに接続される前、ユダヤ人のカウフマン一家はウィーンで画商を営みながら裕福に暮らしていると、そこへ、そこへ使用人の息子で長らく音信不通であったルディ・スメカルが現われ、スメカルを家族同様に考えるカウフマン一家はスメカルを歓迎し、カウフマン一家の息子ヴィクトル・カウフマンはスメカルを隠し部屋に案内して、カウフマン一家が秘密裏に所蔵するミケランジェロが描いた素描を見せ、そうしているとオーストリアがドイツに接続され、ユダヤ人から家族同様の扱いを受けるスメカルは親衛隊伍長の身分と引き換えにカウフマン一家の秘密をもらし、親衛隊の一隊がミケランジェロの素描を求めてカウフマン一家の家に現われるので、家長のヤーコブ・カウフマンは素描の模写を作らせて親衛隊にそれを渡し、その代償としてスイスへの自由通行を求めるが、親衛隊はスイスへの脱出を許すかわりにカウフマン一家を捕えて収容所へ送り、それからしばらく時が流れて1943年、スターリングラード攻略のために独伊の連携を強化したいドイツはミケランジェロの素描をムッソリーニに送って歓心を買おうとたくらむが、イタリア人の鑑定家からこれは偽物であると指摘されてあわてふためき、収容所にいるヴィクトル・カウフマンをドイツへ呼び寄せるが、途中、ヴィクトル・カウフマンとスメカルを乗せたJu-52はポーランドのパルチザン(のサブマシンガン一斉射撃)によって撃墜され、パルチザンに捕えられることを恐れたスメカルは親衛隊の制服を捨て、ヴィクトル・カウフマンがその制服を着込んだところへ現われたのはパルチザンではなくてドイツ軍であったので、ドイツ軍はスメカルをユダヤ人ヴィクトル・カウフマンとして扱い、ヴィクトル・カウフマンを親衛隊将校(昇進している)スメカルとして扱い、ヴィクトル・カウフマンはスメカルをあたかもユダヤ人であるかのように扱って溜飲を下げ、それから収容所で生き残っている母親を救うための手はずを整え、絵を手に入れるためと称してスメカルをともなってスイスを目指すものの、二人を乗せた飛行機(シュトルヒ?)はウィーンに着陸してヴィクトル・カウフマンは正体を暴かれ、スメカルはカウフマン一家の屋敷を家探ししてミケランジェロの素描を発見するが、すでにムッソリーニ政権は崩壊して絵は意味を失い、それからまた時が流れて終戦直後のウィーンに話が移り、ヴィクトル・カウフマンの画廊を手に入れたスメカルはすっかりよい身なりになってミケランジェロの素描のお披露目をするが、そこへ現われたイタリア人鑑定家はそれを偽物であると指摘する。 頭が悪くて田舎くさい親衛隊が金持ちのユダヤ人の前で鼻をふくらませてうろうろして、歴史的な状況を悪用してさもしい野心を満たそうとしているうちにユダヤ人に身分を奪われて狼狽する、というかなり陰惨なコメディである。状況の一つひとつはそれなりに面白いものの、放り込んだ状況を確実に回収する体力はなかったようで、仕上がりはやや物足りない。
IMDb で
を検索します。
* Search provided by
The Internet Movie Database
.