カンパニー・メン
- Aloysius' Rating:  6/10
2010年 イギリス/アメリカ 104分
監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、マリア・ベロ、クレイグ・T・ネルソン、トミー・リー・ジョーンズ


金融危機が始まった2008年、ボストンで造船、鉄道、医療などの事業を営む従業員五万人の大企業GTXは不採算部門である造船と鉄道の統合を決めて余剰人員の解雇を開始し、造船部門で販売部長の地位にあった37歳のロバート・ウォーカーも突然の解雇を言い渡されるので、プライドにしたがって周囲には失職した事実を隠しながら会社が提供する再就職支援プログラムに参加するが、なにぶんにも不況のせいで思うにまかせない状況が続き、そうしているあいだにGTXは買収対策として株価を上げるために人員の整理をさらに進め、溶接工あがりの重役で60歳に近いフィル・ウッドワードも解雇され、社長が進める安易なリストラに抗議を続けた副社長ジーン・マクラリーも解雇され、経済的に逼迫して住宅ローンもゴルフクラブの会費も払えなくなったロバート・ウォーカーは妻の兄で大工をしているジャック・ドーランを頼って建設現場で働くことになり、年齢のせいで再就職の道を断たれたフィル・ウッドワードは絶望の道へ進み、ジーン・マクラリーは金融偏重への怒りをくすぶらせながら廃墟と化した造船場を歩いて製造業の衰退を嘆く。世間体をかばおうとしながら泥にまみれていくロバート・ウォーカーがベン・アフレック、絶望するフィル・ウッドワードがクリス・クーパー、ジーン・マクラリーがトミー・リー・ジョーンズ、エグゼクティブの運命に冷笑的な態度を取りながら救いの手を差し伸べる大工ジャック・ドーランがケヴィン・コスナーである。解雇によって無人となったオフィス、精神道場じみた再就職支援プログラム、登場人物それぞれの苦悶とそれぞれの家庭の様子を淡々と描き、地味ではあるが真摯な映画に仕上がっている。

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