ゾンビーノ
- Aloysius' Rating:  6/10
2006年 カナダ 93分
監督:アンドリュー・カリー
出演:キャリー=アン・モス、ビリー・コノリー、ディラン・ベイカー、クサン・レイ、ヘンリー・ツェーニー、ティム・ブレイク・ネルソン


地球は謎の原子雲に覆われてゾンビが大量に発生し、人類対ゾンビの戦争がおこなわれ、ゾムコン社が問題を解決したことで戦争は人類の勝利に終わり、人類の居住地域では首輪をつけたゾンビが使役され、一方、野生のゾンビはゾーンに追放されているという状態が訪れ、ロビンソン家の主婦ヘレンは夫ビルのゾンビ嫌いのせいで家にゾンビがまったくいないという世間体の悪さを解消するために夫に黙ってゾンビを仕入れ、どうにか夫をなだめすかしてゾンビを使うことになるが、そのゾンビは一人息子のティミーになじみ、ヘレンもまたゾンビに対して友情以上の感情を抱き、取り残された形となった夫のビルはティミーに対して父親としてふるまおうとするが、このときすでにロビンソン家のゾンビを起点に恐るべき事件が進行していて、そのせいで近所の住民がゾンビと化し、ロビンソン家のゾンビは回収されてしまうので、ゾンビと再会したい一心でティミーはゾムコン社の工場に侵入する。背景には原色を基調とした五十年代が採用され、人間性も性差もモダンな複雑さから切り離され、敵が明示されることで登場人物はどことなく残忍で容赦がなくなっている。かなり気味の悪い舞台を背景に孤独な少年とゾンビとの友情が描かれ、大人は残酷で、そしてもちろんゾンビ映画なので、やるべきときにはやることをやる。ステレオタイプから採用されたキャラクターとゾンビテーマを確実に回収したプロットがうまく結合させて見ごたえのある映画に仕上がっている。

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