十三人の刺客
- Aloysius' Rating: 6/10
2010年 日本/イギリス 141分
監督：三池崇史
出演：役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、松方弘樹、伊原剛志、岸部一徳、平幹二朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親
将軍・家慶の弟で明石藩主の松平左兵衛督斉韶は残忍非道によって知られていたが、その斉韶が老中となることがわかるとすでに老中である土井大炊頭利位は残忍非道な斉韶が老中となれば天下、民草に多大な迷惑をかけて幕府の威信を大きく揺らがせることは自明であると考え、御目付島田新左衛門をひそかに呼び寄せて意中を明かし、斉韶の暗殺を命じるので、島田新左衛門は精鋭を集めて参勤交代で江戸を出た明石藩の一行を狙い、途中、落合の宿場に巨大な罠を仕掛けて待ち構える。邦画には珍しいまっとうなカメラワークが心強い。クライマックス、公称では50分におよぶ殺陣も適度なバリエーションを加えながら力強く引っ張って飽きさせない。三池崇史の演出の張りの部分がうまい具合に前に出て作品を成功させているのであろう。稲垣吾郎は残忍な斉韶を熱演しているが、人物造形がやや理に落ちている。松方弘樹の剣さばきはさすがであった。ちなみに宿場をまるごと買い取ってまで罠を仕掛けるのであれば、もう少し効率的なやり方があったはずだと思わず考えてしまうのだが、たぶんそれではいけないのであろう。
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