スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
- Aloysius' Rating: 7/10
2010年 アメリカ/イギリス/カナダ 112分
監督:エドガー・ライト
出演:マイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、キーラン・カルキン、クリス・エヴァンス
スコット・ピルグリムは17歳の女子高生と清い交際をしていたが、その女子高生と図書館でデートしているときにラモーナ・フラワーズを目撃し、瞬時に恋に落ちて惰性にしたがって二股をかけ、臆することなくラモーナ・フラワーズに交際を申し込むと未知の人物から届けられた怪しいメールが死を予告し、間もなくラモーナ・フラワーズの邪悪な元恋人軍団の最初の一人、踊るインド人が壁を破ってスコット・ピルグリムの前に現れ、それを戦って倒して得点とコインに変換するとスタントマンの一群を率いる第二の元恋人、完全菜食によってあやしい超能力を身につけた頭の悪い第三の元恋人、ラモーナ・フラワーズが気の迷いでつきあった第四の元恋人、日本人兄弟二人がセットになった第五と第六の元恋人、そして第七の元恋人がつまり次々と現れる。徹底しておばかで、内容はないも同然だが、スコット・ピルグリム本人とその周辺人物の会話のリズム、カットと音のリズム、スーパーインポーズによる突っ込みのリズムできわめて密度の高い映画に仕上がっている。そのリズム自体はあきらかに
『ショーン・オブ・ザ・デッド』
、
『ホット・ファズ』
の延長線上にあってこれまで以上のスピードを備え、手法としては
『グラインドハウス』
のフェイク予告編『Don't』に近い。
『A Fistful of Fingers』
から15年、ずいぶん遠くへ来たものだ。単にプロットを提示するのではなく、映画という表現手法に対して誠実に創意を発揮している点できわめて好ましい作品である。
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